IDCジャパンが国内パブリッククラウドサービスの市場予測を発表。2016年の市場規模は対前年比30.5%増の3762億円と推定。2021年には1兆538億円規模まで成長するとみられる。
IDCジャパンは2017年3月13日、2016年から2021年の国内パブリッククラウド市場予測を発表した。2016年の国内パブリッククラウドサービス市場は、対前年比30.5%増の3762億円規模に伸長した。
2017年現在、国内市場ではシステム更新期を契機として、従来型ITからクラウドへの移行が進んでいる。既に電子メールやオフィススイートなどの業務系ツールはSaaS(Software as a Service)型が浸透しており、この他に、ERM(Enterprise Resource Management)アプリケーションやWeb系システムなどもクラウド化が顕著になっている。
一般的に新興市場では、製品やサービスが普及して市場規模が拡大すると、対前年比成長率は鈍化する動きとなる。実際、2016年の国内パブリッククラウドサービス市場でも成長率は鈍化したが、国内企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組むことで新たな成長期を迎えている。これを踏まえ、「2020年からは対前年比成長率が再び上昇する」とIDCジャパンは予測する。さらに、ITやビジネスの効率化を目的としたパブリッククラウドサービスに対する需要も堅調に推移することで、2021年には、2016年比で2.8倍となる1兆538億円規模にまで成長すると同社は推計している。
「クラウドが今後のITの主流になることに疑う余地はない。しかし、ITサプライヤーにとってクラウド事業への注力は生き残るための必須条件であるが、成長戦略の十分条件にはならない。つまり、ITサプライヤーはクラウド事業を発展させるとともに、企業のDXを支援するサービスで存在感を示すこと。これが喫緊の課題だ」(IDCジャパン ITサービス リサーチディレクターの松本聡氏)。
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