米Amazon Web Servicesは、セルフサービスのクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を発表した。AWSの各種サービスと連携して、自然言語で応答したり、Amazon S3に通話内容を記録したりできる。
米Amazon Web Services(AWS)は2017年4月3日、セルフサービスのクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を発表した。
Amazon Connectは、同社自身が顧客への応対で使用するコンタクトセンター技術を基にしたクラウド型サービス。あらゆる業種の企業がクラウドベースのカスタマーサービスを低コストで提供できるようになるとしている。
Amazon Connectは、関連するテレフォニーサービスを利用した1分単位で計算される従量課金制となる。AWSの管理コンソールから数クリックでコンタクトセンターを設置し、数分以内で電話での応答サービスを導入できる。従来のコンタクトセンターシステムの導入で必要だった、複雑なハードウェアやソフトウェアを用意したり、設定・構築したりすることなく、すぐに導入できることを特長とする。クラウドサービスの利点を生かし、コンタクト数の変動に応じて規模を自由に拡大/縮小でき、短期販促活動や時期的な利用が急増したときや新製品の発表時といったビジネスタイミングに応じて、電話応対スタッフの数を最大数万人まで増やす対応も可能だという。
この他、Amazon DynamoDB、Amazon Redshift、Amazon AuroraなどのAWSサービスや、サードパーティーの顧客関係管理(CRM)や分析ソリューションに保存してある顧客データへAmazon Connectからアクセスし、これらの情報を基にコンタクトのプロセスを柔軟に変更することもできる。例えば、Amazon Alexaの自動音声認識(ASR)技術と、Amazon Lexの自然言語理解(NLU)機能を活用し、より自然なコンタクト業務システムの構築が可能。サポート利用者は、一般的な電話応答サービスにあるような録音音声メニューを延々と聞く必要がなく、口語調で質問内容を話すだけで適切なサポートを受けられるようになる。
Amazon Connectはまた、AWSのツールやインフラとの統合も可能だ。例えば、Amazon S3に通話内容を記録したり、Amazon Kinesisを利用して、コンタクトセンターの指標データをAmazon S3やAmazon Redshift、外部のデータウェアハウスへ連携したりすることができるAmazon QuickSightでデータを可視化し、分析したり、Amazon Connectにログインする際にAWS Directory Serviceの認証機能を利用したりする連携なども自然に行えるという。
2017年3月現在、米国と欧州の18カ国で利用可能。数カ月以内に他国にも拡大する予定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.