さくらインターネットは2017年4月18日、IoTプラットフォームサービスを、「sakura.io」の名で同日に正式提供開始したと発表した。同社は「さくらのIoT Platform」という名称でこのサービスを開発してきた。
さくらインターネットは2017年4月18日、IoTプラットフォームサービスを、「sakura.io」の名で同日に正式提供開始したと発表した。同社は「さくらのIoT Platform」という名称でこのサービスを開発してきた。
sakura.ioは、独自の通信モジュールを介してIoTデバイスを接続し、データをクラウドへ保存、外部との連携を図れるサービス。IoTデバイスの開発に、ネットワークプログラミングやネットワークセキュリティへの考慮は不要となる。独自通信モジュールを用いる必要がある点はロックインといえなくはないが、その代わりに開発者は、モノの機能実装やサービス設計に集中できる。また、ヤフーのMy Things、Microsoft Azure、Amazon Web Services、IBM Bluemixなど多様なIoTサービスを活用することもできるため、プラットフォームサービス側にロックインはない。
料金を安価に抑えているのも重要な特徴。さらに今後提供予定のデータマーケットプレイスへデータを提供すれば、サービス利用によって、逆に利益を得られる可能性もある。
sakura.ioはLTE接続のみでスタートした。ベータテスト段階では、LoRa、および非公開技術を使った2.4GHz通信にも対応するとしていた。LoRaについては、消費電力が低く、装置が小型できるメリットはあるものの、送信できるデータのサイズが小さいことから、適切なユースケースを見出すための検証を、一緒に行ってくれるメンバーを募集するという。
注目に値するのは料金の低さ。さくらインターネットはベータテスト段階で、LTE通信モジュールの販売価格を1万円以下、プラットフォーム利用基本料金を月額100円以下に抑えることを目指していたが、最終的には通信モジュールが8000円、プラットフォーム利用基本料金は月額60円となった。基本料金には毎月1万回分の通信に相当するクレジットが含まれているので、5分に1回程度のデータ送信(あるいは受信)をするデバイスであれば、追加料金を払うことなく基本料金のみで使い続けられることになる。なお、データマーケットプレイスは2018年に提供開始の予定。
さくらインターネットは今回、新たなライセンスプログラムを発表した。これにはハードウェアのライセンスとプロトコルのライセンスがある。
ハードウェアのライセンスは、sakura.ioとその通信モジュールを使いたいが、基板の形状を変更したい、あるいは部品を直接製品に組み込みたいといったニーズに応えるもの。参照回路図や製造・検査手順書、SIM、モデム、ファームウェアバイナリなどを提供する。
一方、プロトコルライセンスは、「通信機能の作り方を提供するもの」で、プロトコル仕様書、ライブラリ/サンプルコード、製造・検査手順書、SIMが含まれるという。
さくらインターネットはまた、sakura.ioの正式提供開始に伴い、ユーザーのデバイス開発を支援するパートナー、およびサービス開発を支援するパートナーの募集を開始した。
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