AWSは、NoSQLデータベースサービス「Amazon DynamoDB」を高速化するインメモリ型のキャッシュサービス「Amazon DynamoDB Accelerator(DAX)」の提供を開始する。DynamoDBの性能を最大10倍に高められる。
米Amazon Web Services(AWS)は2017年4月19日(米国時間)、「Amazon DynamoDB Accelerator(DAX)」の提供を開始すると発表した。DAXは、同社のNoSQLデータベースサービス「Amazon DynamoDB」を高速化するインメモリ型のキャッシュサービス。AWSによると、Amazon DynamoDBの性能を最大10倍に高められるという。毎秒数万のリクエストを受信したときでも、DynamoDBの応答時間をミリ秒からマイクロ秒に短縮できるとしている。
これまで、リアルタイム入札や気象データの解析、ソーシャルゲーム、金融取引といったリアルタイム性が求められるアプリケーションでは、DynamoDBを利用する際、より高速な処理を得るためにインメモリ型キャッシュクラスタを組み込み、独自に管理する必要があった。
さらに、アプリケーションをキャッシュクラスタを利用するように書き換える必要があった上、クラスタを実装し運用するための専門的なスキルも必要だった。DAXを利用することにより、ユーザーは自前でキャッシュクラスタを設置したり、管理、同期させたりする必要がなくなる。
DAXはフルマネージドのキャッシュサービスで、論理的にDynamoDBテーブルの前段に置かれて、ライトスルーキャッシュとして動作する。AWSマネジメントコンソールでDAXクラスタを設定し、既存のアプリケーションをDAXエンドポイントに向けるだけで、DAXが自動的に専用のインメモリDAXインスタンス上にアイテムとクエリ結果をキャッシュするようになる。API(Application Programming Interface)はDynamoDBと互換性があるので、DynamoDBを利用するアプリケーションを書き換える必要もない。
AWSでデータベース、分析、AI担当バイスプレジデントを務めるラジュ・グラバニ(Raju Gulabani)氏は、「マイクロ秒で応答するアプリケーションを必要とするユーザーからは頻繁に、Amazon DynamoDBの性能をもっと高められないかという要望が寄せられていた。DAXにより、Amazon DynamoDBの性能を大幅に高められた。DAXは、既存のアプリケーションを書き換えることなく、毎秒数百万のリクエストに対する応答時間をマイクロ秒にまで短縮できる。リクエスト数が急増したときでも、DAXにより、高速で俊敏なアプリケーション性能を維持できる」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.