Red Hatが企業向けクラウド構築プラットフォームの最新版「Red Hat OpenStack Platform 11」の提供を開始。Composable Roleのアップグレードを可能にし、ネットワーク機能を強化した。クラウド管理ツールとの連携も強化した。
Red Hatは2017年5月8日(米国時間)、クラウド環境構築プラットフォームの最新版「Red Hat OpenStack Platform 11」の提供を開始すると発表した。
Red Hat OpenStack Platform 11は、OpenStackの15番目のリリースとなる「OpenStack Ocata」をベースに開発された企業向けディストリビューション。カスタムプロファイル作成機能「Composable Role」のアップグレードをサポートする他、ネットワーク機能やクラウド管理プラットフォーム「Red Hat CloudForms」との連携が強化されている。
Composable Roleは、前バージョンの「Red Hat OpenStack Platform 10」で導入されたカスタムプロファイル作成機能。自社環境に実装される個々のサービスやプロセスに合わせて設計プロファイルをカスタマイズできる。新バージョンでは、このComposable Roleのアップグレードもサポートすることで、ライフサイクル管理を維持しながらも、Red Hat OpenStack Platformのアップグレード機能の適応性と整合性を向上させたとしている。
ネットワークに関する新機能としては、「VLAN-awareVM」のフルサポートと、通信事業者向けの機能拡張が実装される。前者はOpenStack上で稼働するインスタンスを、Open vSwitch(OVS)やOVSデータプレーン開発キット(OVS-DPDK)経由でデプロイしながら、仮想サブネットによってカプセル化されたトラフィックの送受信を可能とする機能。後者は、OVSとOVS-DPDKの機能改善によって、処理性能を向上させている。
この他、ハイブリッドクラウド管理ツール「Red Hat CloudForms」をRed Hat OpenStack Platform 11と統合したことで、複数のOpenStackのリージョンやドメイン、ホストアグリゲートにアクセスしながら、クラウドシステムの状態を一元管理できるようになった。Red Hat CloudFormsから、クラウドプラットフォームの作成、一覧化、削除、スナップショット管理などを直接実施できる。
分散ストレージソフトウェア「Red Hat Ceph Storage」との密接な統合も可能とした。Red Hat Ceph StorageをOpenStackのコンピュートノードと同じノードで実行できるようにし、これまでテクニカルプレビューとして提供していたストレージのミラーリング機能にも正式対応した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.