本連載は、Windows PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介いていきます。今回は「Add-ADGroupMember」コマンドレットです。
本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、Active Directoryに作成されたグループにユーザーを追加する「Add-ADGroupMember」コマンドレットを解説します。
「Add-ADGroupMember」は、Active Directoryに作成されたグループに、ユーザーまたは他のグループを追加するためのコマンドレットです。
グループにユーザーを追加する操作は「Active Directoryユーザーとコンピューター」管理ツールでも行えますが、Add-ADGroupMemberコマンドレットでは複数のユーザーをまとめてグループに追加したり、特定の条件に合致するユーザーだけをグループに追加したりできるといったメリットがあります。
オプション | 意味 |
---|---|
-Identity | ユーザーまたは他のグループを追加するグループを指定する |
-Members | グループに追加するユーザーまたは他のグループを指定する |
-Server | グループにユーザーまたは他のグループを追加する操作を行うサーバを指定する。省略可能 |
「-Identity」オプションと「-Members」オプションを使用すると、特定のグループに特定のユーザーを追加するように指定できます。
以下の実行例では、Salesグループにaraiユーザーを追加するために、-Identityオプションでグループ名に「Sales」を、-Membersオプションでユーザー名に「arai」をそれぞれ指定しています(画面1)。
Add-ADGroupMember -Identity Sales -Members arai
なお、Active Directoryでユーザー名を表現するには「arai(samaccount名)」「arai@example.com(ユーザープリンシパル名:UPN)」「CN=arai,CN=users,DC=example,DC=com(識別名:DN)」など、さまざまな方法がありますが、-Membersオプションではsamaccount名でユーザー名を指定します。
Add-ADGroupMemberコマンドレットの-Membersオプションには、ユーザーを直接指定する代わりに、本連載第14回で紹介した「Get-ADUser」コマンドレットで表示されたユーザーを指定することができます。 以下の実行例では、「部署」属性を表すdepartment属性に「営業」と登録されているユーザーを「Get-ADUser -LDAPFilter "(department=営業)"」コマンドレットで呼び出し、表示されたユーザーをSalesグループに追加しています(画面2)。
$users=Get-ADUser -LDAPFilter "(department=営業)" Add-ADGroupMember -Identity Sales -Members $users
あらかじめユーザー情報をCSVファイルに登録しておくと、そのCSVファイルを呼び出してAdd-ADGroupMemberコマンドレットの-Membersオプションとして指定することができます(画面3)。
CSVファイルの呼び出しには「Import-Csv」コマンドレット、CSVファイルに登録されているユーザーを1つずつ順番に登録するには「Foreach-Object」コマンドレットを使います(画面4)。
Import-Csv c:\users.csv | Foreach-Object { Add-ADGroupMember -Identity Sales -Members $_.username }
株式会社ソフィアネットワーク取締役。1997年よりマイクロソフト認定トレーナーとして、Active DirectoryやActive Directoryフェデレーションサービス(AD FS)など、ID管理を中心としたトレーニングを提供している。2007年よりMicrosoft MVP for Directory Servicesを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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