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目指すは2020年までに完全自動走行タクシー――ZMPと日の丸交通が「レベル4推進研究会」立ち上げ安全と乗り心地も追求

ZMPと日の丸交通が「レベル4推進研究会」を発足。他のタクシー会社とも協力しながら、2020年までに自動運転レベル4の自動走行タクシーの本格営業を目指すという。

» 2017年07月12日 16時00分 公開
[中尾太貴@IT]

 ZMPと日の丸交通は2017年7月11日、自動走行タクシーの実現に向けた「レベル4推進研究会」を立ち上げた。他のタクシー会社などとも協力しながら、2020年までに自動走行タクシーの本格営業を目指す。

 レベル4推進研究会では、ZMPと日の丸交通が発起人となって、情報を発信し、他のタクシー会社に広く参加を呼び掛けていく予定。そして2017年6月1日に警察庁が示した遠隔自動運転システムの公道実証実験にかかる道路使用許可のガイドラインを受けて、ZMPと各タクシー会社と協議、協力しながら実証実験に応募していく考え。実証実験で得られたデータを活用して、「プロドライバーの運転技術」を組み込んだ、安全で乗り心地の良い自動走行タクシーの実現を目指す。

日の丸交通 代表取締役社長の富田和孝氏

 日の丸交通 代表取締役社長の富田和孝氏は、「タクシーと自動運転は対立するものとしてよく挙げられるが、それは異なる。実は、共存・共栄するものだ。タクシー業界に存在する課題は、この取り組みによって多くを解決できるのではないか」と期待を込める。

 東京ハイヤー・タクシー協会の調査によると、タクシーの稼働率は年々下がっている。今後、働き方改革や少子高齢化による人手不足の影響から、この傾向は進むとみられている。また地方では、運転ができなくなった高齢者のライフラインとしてタクシーをはじめとする公共交通機関が期待されているものの、稼働率が下がり、配車数も減れば、そのライフラインが途絶えることになる可能性も否定はできない。

東京特別区・武三地区(東京23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシー稼働率(出典:日の丸交通)

 「日本では2020年のオリンピック開催を背景に、訪日外国人のタクシー需要は増える。またタクシーには、ライフラインとしての存在意義もある。しかし、稼働率は減少し、人手不足も深刻になっている。これらの課題を、日本のプロドライバーの運転技術が入った自動走行タクシーを使い、補完していきたい」(富田氏)

自動走行タクシーは需要と供給のバランスを調整する弁の働きをする(出典:日の丸交通)
ZMP 代表取締役社長の谷口恒氏

 またZMP 代表取締役社長である谷口恒氏は、「日本のタクシーサービスは外国人旅行者からの評価も高く、過去にトリップアドバイザーの調査で1位を獲得している。そのレベルが高いサービスを自動走行タクシーでも実現することを目指す」と述べた。

 谷口氏はレベル4の自動走行タクシーを目指す重要性を次のように話す。

 「タクシー会社によっては『自動走行レベルはレベル2、レベル3でいいんじゃないか』という声もある。しかし、レベル4の実現を絶対に先延ばしにしてはいけない。気が付いたら海外のUberやLyftといった企業が参入し、タクシー業界は大きな打撃を受けてしまう。その前に自動走行レベル4を実現して、商業化することが大切だ。そのためにもレベル4推進研究会を通して、情報発信し、他のタクシー会社を巻き込んで、タクシー業界全体の発展を目指していく」

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