Windowsストアで「Ubuntu」提供開始 「新旧並列実行も可能?」利用Q&AもWindows 10上でLinuxコマンドが使える

WindowsストアでLinuxディストリビューション「Ubuntu」の提供が開始された。Windows 10上で、VMやOSの切り替えなしにLinuxコマンドを普通に利用できる環境が整う。SUSEやFedoraの提供も近日中に開始されるという。

» 2017年07月13日 11時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2017年7月10日(米国時間)、WindowsストアでCanonicalが支援するLinuxディストリビューション「Ubuntu」の提供が開始されたと告知した。仮想マシン(VM)やOSの切り替えなしに、Windows 10上でLinuxコマンドを利用できる。2017年7月10日現在は「Windows 10 Insider Preview(ビルド16215以降)」にインストールできるが、最終的には「Windows 10 Fall Creators Update」で利用できるようになる。

photo Windowsストアで公開された「Ubuntu」

 なおMicrosoftはUbuntuの公開にあたり、Windowsストア経由でのアプリケーションインストールには以下のメリットがあると説明している。

  • より高速で信頼性の高いダウンロードが可能:Windowsストアは、ダウンロードされるアプリのサイズを最小化する、高度なブロックベースのダウンロードメカニズムを採用している。このため、ダウンロードの速度(時間)と信頼性を向上できる
  • 複数のディストリビューションを並列にインストール可能:「Windows Subsystem for Linux」(WSL)が改良され、複数のディストリビューションの並列インストールをサポートした
  • 複数のディストリビューションの同時実行が可能:並列インストールだけでなく、複数のLinuxディストリビューションを同時に実行することも可能である

 Microsoftはこの他に、SUSEやFedoraとの協力体制も築いている。Windowsストア向けのSUSEとFedoraもほぼ完成しているとし、2017年7月17日週、あるいは同24日週にはWindowsストアで公開される見通しだという。

 Microsoftが公開したWindowsストアベースのLinuxディストリビューション利用におけるQ&Aは以下の通り。

Q:現行/レガシーのUbuntuディストリビューションをインストール済みの場合、WindowsストアからUbuntu(または他のディストリビューション)をインストールするとどうなるのか

 A:Windowsストアからのディストリビューションは、現行/レガシーディストリビューションや他のストアディストリビューションと「並列」にインストールされる。各ディストリビューションは並列に実行されるが、相互に隔離された状態で起動する。

Q:現行/レガシーディストリビューションを使い続けるべきか、新しいストアディストリビューションに移行すべきか

 A:現行/レガシーディストリビューションを使い続けることもできるが、ストアディストリビューションをメインに使うことが勧められる。現行/レガシーディストリビューションは、いずれ非推奨になるからだ。

Q:新しいUbuntuディストリビューションは、どうやって起動するのか

 A:Windowsストアベースのディストリビューションは、「ディストリビューションごと」に作成されるスタートメニュータイルから起動するか、コマンドラインから起動できる。

 新たにインストールしたディストリビューションは、コマンドラインでディストリビューション名を入力すれば起動される(場合によっては、バージョン番号も付加する必要があるかもしれない)。例えば今回の新しいUbuntuディストリビューションは、コマンドプロンプトやWindows PowerShellのコマンドラインから、「ubuntu」と入力すれば起動する。

Q:レガシーディストリビューションは、どのようにアンインストールするのか

 A:重要なデータ、ファイル、設定ファイルをレガシーディストリビューションからバックアップしたら、コマンドプロンプトやWindows PowerShellのコマンドラインから「lxrun /uninstall」を実行すればよい。

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