Office 365のリリース情報では、LaTeX構文を使用できるのは、バージョン1707(ビルド8326.2058)以降のWord 2016だけですが、公式ブログのアナウンスによると、トリッキーな方法ですが、PowerPoint 2016とOneNote 2016(ストアアプリのOneNoteではなく、デスクトップアプリのOneNote 2016)でも使えるようです。
これらのアプリケーションには、Wordのような「LaTeX」リボンメニュー(「数式ツール」→「デザイン」)は現状、用意されておらず、複雑なキーボード操作で行う必要があります。
実際にやってみました。OneNoteでは何とかそれらしくできましたが、PowerPointの方はうまくいきませんでした(画面4)。LaTeXを常用している人であれば、別の使い慣れたLaTeX(またはTeXなど)環境があると思うので、ここまで苦労してLaTeX構文で数式を入力したいと思う人はいないでしょう(PowerPointやOneNoteには、LaTeX以外にもさまざまな数式入力方法があります)。
Office 365のサービスモデルの名称やサポートポリシーが、これまで何度か変更されてきており、2017年9月からはWindows 10とそろえられた新しいモデルに移行することについては、本連載第84回にも触れました。筆者の別の過去記事にも、関連するものについては最新情報として追記してあります。
更新チャネル(更新ブランチ)の名称変更に加えて、日本だけの日本語名称もあり、何がどうなっているのか理解するのが困難なことは、本稿を見てもお分かりかと思います。
本連載第84回では、Office 365のサービスモデルにおける更新チャネルの変遷と、Windows 10と統合されるまでの道筋を筆者の想像を含めて図示しました。
実は、そのときの図は、既に訂正を必要としています。1つは、Windows 10 Creators Update(バージョン1703)のCBB向けリリースが、CBBとしてではなく、新名称の「Semi-Annual Channel」として2017年7月に提供されたことです。また、Office 365における新しいサービスモデルの開始が、2017年9月に「Semi-Annual Channel(Targeted)」から始まり、別のチャネルを含め、当面の予定が公表されました。
以下の図1は、これまで明らかになったことを反映したものです(まだ筆者の想像を含みます)。
なお、Windows 10のUI(ユーザーインタフェース)やポリシー設定、管理ツール(System Center Configuration ManagerやMicrosoft Intune)の表記は、CB/CBBのままです。今後、UIの表記が変更になる予定があるのかどうかは分かりません。Office 365については、これまでの変更がUIやポリシー設定、管理ツール(Office 365ポータル)に段階的に反映されてきた実績があるので、Semi-Annual Channel表記に変わっていくと予想しています。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。
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