MicrosoftがAzure App ServiceのLinux対応版「Azure App Service on Linux」を正式リリース。LinuxベースのASP.NET Core、Node.js、PHP、Rubyのビルトインコンテナイメージが標準でサポートされる。
Microsoftは2017年9月6日(米国時間)、「Azure App Service on Linux」を正式リリースした。
Azure Apps Serviceは、クラウドアプリケーションの開発や配信管理、ホスティング機能を提供するプラットフォームサービス。開発者は、統合されたCI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)/CD(Continuous Delivery:継続的デリバリー)、デプロイスロット、自動スケーリングなどの機能を使い、Web/モバイルデバイス向けのクラウドアプリケーションを提供できる。
Azure App Service on Linuxでは「Web App for Containers」機能を実装し、LinuxベースのASP.NET Core、Node.js、PHP、Rubyのビルトインコンテナイメージを標準でサポート。Java、Python、Goに対応したDocker形式のコンテナイメージを取り込むこともできる。Azure App Service on Linuxの主な特長は以下の通り。
Azure App Service on Linuxでは、Linuxで動作するASP.NET Core、Node.js、PHP、Rubyのコンテナイメージを標準でサポートする。開発者はこの機能によって、インフラやプラットフォームを気にすることなく、アプリケーションの開発に集中できるようになる。
具体的には、開発するアプリケーションに必要なスタックを選択するだけで適切なアプリケーション環境がセットアップされ、その後のメンテナンスも行われる。
また、WordPress、Joomla、Drupalなどの環境があらかじめ構築されたコンテナパッケージもAzure Marketplaceで配布されているので、数クリックの操作でApp Serviceへデプロイが可能だ。
Web App for Containersにより、コンテナ化されたアプリケーションをほんの数秒で本番稼働させることができる。
コンテナイメージをDocker Hub、Azure Container Registry、またはプライベートレジストリにプッシュすれば、Web App for Containersがコンテナアプリケーションのデプロイとインフラのプロビジョニングが自動的に行われる。必要に応じてLinux OSのパッチ適用や負荷分散などの設定も行われる。
また、コマンドライン操作やAzureリソース管理テンプレートを使ったApp Serviceへのデプロイにも対応する。
Azure App Service on Linuxは、統合されたCI/CD機能や、直感的なスケーリング機能も提供する。数クリックでGitHub、Docker Hub、Azure Container Registryと連携でき、Jenkins、Visual Studio Team Services(VSTS)、Mavenを使った継続的デプロイを実現できる。また、「デプロイスロット」機能を利用すれば、ターゲット環境へのデプロイ、ステージングから本番への移行、パフォーマンステストや品質テストのスケジューリング、前のバージョンへのロールバックをダウンタイムなしで行える。
本番環境のスケーリングは、Web管理ツールでの操作、REST API(REpresentational State Transfer Application Programming Interface)の呼び出し、あるいは自動スケーリングルールの設定によって簡単に行える。オンデマンド、または自動的にアプリケーションのスケールアップとスケールダウンが可能であり、異なる地理的地域にわたって高い可用性を確保できるようになる。
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