シスコシステムズは2017年9月26日、システム(サーバ)管理をクラウドサービスとして提供する「Cisco Intersight」を国内発表した。当初はシスコのサーバ製品「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」およびハイパーコンバージドインフラ製品「Cisco HyperFlex」を対象とする。サーバ管理ツールの機能をクラウドサービスとして提供。その後、アナリティクス/機械学習の活用などを進め、機能を強化するという。
シスコシステムズは2017年9月26日、システム(サーバ)管理をクラウドサービスとして提供する「Cisco Intersight」を国内発表した。現時点ではシスコのサーバ製品「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」およびハイパーコンバージドインフラ製品「Cisco HyperFlex」を対象としたサービス。当初は現在のサーバ管理ツールの機能をクラウドサービスとして提供する。その後、アナリティクス/機械学習の活用などを進め、機能を強化するという。
なお、シスコはCisco UCSおよびCisco HyperFlexで、「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」を搭載した第5世代の「M5」シリーズを提供開始している。
Cisco UCS/Cisco HyperFlexはもともと、管理機能がサーバハードウェアとは分離されており、Fabric Interconnectによって多数のサーバを管理できることが特徴の1つだが、この管理機能をクラウドで動かすことにより、エッジ・コンピューティングを含め、管理対象がどこにあっても管理できるようになる。運用代行サービスを提供する業者にとっても、便利に使えそうだ。また、IntetsightではAPIを提供するため、同サービスのダッシュボードを使わずに、他のアプリケーションから機能を利用することもできる。
Intersightは、全世界で2017年11月に提供開始される。当初から日本語に対応する。国内では2017年8月からTech Preview版が一部顧客に提供されているという。同サービスは基本的な機能をまず提供、その後追加機能を開発し、これを上位エディションに組み込んで段階的に提供する。
2017年11月に提供開始するのは無償の「Base Edition」と、有償の「Essentials Edition」。
Base Editionではインベントリ情報を管理でき、稼働状況をモニタリングできる。また、「Cisco UCS Manager」などの管理ソフトウェアを起動できる。他に、任意のタグを付けられる機能や、ダッシュボードのカスタマイズが行える機能も持つ。
Essentials Editionではさらに、構成管理、サービスプロファイルを使ったポリシー管理、仮想KVMによるリモートコンソール機能、ファームウェアの定期的なアップデート機能などが提供される。なお、当初はCisco HyperFlexについては全ての管理がクラウド化されるが、Cisco UCSについては設定に関し、Intersightから(同じくクラウド上の)適切なUCS Managerの画面を立ち上げる形になるという。ただし、2017年末から2018年初めにかけて、UCS Managerを起動する必要なしに、Intersightで設定を完結できるようになるという。
その後、約2年をかけて、機械学習を活用した新機能を開発、こうした新機能を追加したStandard、Advantageといったエディションを提供していくという。機械学習を生かすことで、予防保守や他のユーザーにおけるベストプラクティスを生かしたノウハウの共有などが実現する。また、管理対象を拡大、例えばコンバージドインフラ製品「FlexPod」の構成要素であるNetAppのストレージも管理できるようにしていくという。
Intersightは、シスコにとって同社事業の段階的なサービス化の一環。また、同社はCisco 「Cisco Application Centric Infrastructure(Cisco ACI)」で企業データセンターとAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformのマルチクラウド接続を実現し、買収したCliQrの技術に基づくCisco CloudCenterではマルチクラウドのアプリケーションポータビリティを実現。一方セキュリティではサービスベースの製品を次々に発表している。これらの要素を組み合わせることで、全体的なマルチクラウドプラットフォームの構築を狙っている。
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