Microsoftは、Windows Serverの「半期チャネル」による初のリリースとなる「Windows Server version 1709」のダウンロード配布を開始した。コンテナやマイクロサービス関連など、多くの新機能を提供する。
Microsoftは2017年10月17日(米国時間)、Windows Serverの新バージョン「Windows Server version 1709」のダウンロード配布を開始した。Microsoftは2017年6月、Windows Serverのイノベーション成果をより速いペースで提供するため、これまでのリリースモデルである「Long Term Servicing Channel(LTSC)」に加えて、春と秋の年に2回新しいリリースを公開する「半期チャネル」を導入している。今回はその半期チャネルによる初のリリースとなる。
Windows Server 2016のリリースから約1年もたっていないが、Windows Server version 1709にはさまざまな新機能が搭載されている。その中で大きな比重を占めるのが、コンテナとマイクロサービスに関する機能だ。
Windows Server version 1709では、Server Coreインストールベースのコンテナイメージがアップデートされ、最小限の変更で既存のコードベースやアプリケーションをコンテナに移行できるように最適化されている。イメージサイズは60%縮小されたという。Nano Serverのコンテナイメージもアップデートされ、イメージサイズは80%近くも縮小されたとしている。「Windows Server version 1709は、新しいクラウドアプリケーションやマイクロサービスにうってつけだ」とMicrosoftは述べている。
コンテナを実行する上では、柔軟性も重要な要素となる。Windows Server version 1709では、同じマシン上でWindowsコンテナもLinuxコンテナも実行できる。この機能はHyper-Vの隔離機能を利用して、Linuxカーネルとともに、OSの中でコンテナサポートに最低限必要な部分だけを実行することで実現される。
また、Linuxカーネルは、主要Linuxベンダーから提供されるものの中から選択することが可能。「Windows Subsystem for Linux」(「Bash on Windows」とも呼ばれる)により、開発者や運用チームは既存のスクリプトをWindows Server環境で利用でき、時間を節約できる。
Microsoftは2017年9月、Windows Serverの新しい管理プラットフォーム「Project “Honolulu”」を発表した。Project “Honolulu”は、ローカルにデプロイできる新しい柔軟なブラウザベースの管理プラットフォームだ。ハイブリッド環境と従来の非接続型サーバ環境をサポートし、一般的なIT管理タスクを迅速かつ簡単に行えるソリューションを提供する。デプロイサイズは軽く、Windows Server version 1709に加えてWindows Server 2012/2012 R2/2016をリモート管理できるという。
なおProject “Honolulu”は現在、テクニカルプレビュー段階にある。
「ソフトウェアアシュアランス」契約者は、Windows Server version 1709をボリュームライセンスサービスセンター(VLSC)ポータルからダウンロードできる。このポータルには、「Windows Server Standard」と「Windows Server Datacenter」のイメージが用意されている。
Microsoft Azure利用者は、「Microsoft Azure Marketplace」で提供されている仮想マシンイメージをベースにWindows Server version 1709をデプロイできる。ホスティングされた環境で仮想マシンを実行している場合は、サービスプロバイダーから提供開始されたイメージをチェックするとよい。
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