Windows 10 バージョン1607(Anniversary Update)およびWindows Server 2016では、2017年10月の定例のWindows Updateでいろいろと問題がありました。その問題の1つが「エクスプレスインストールファイルを使用した更新の不具合」です。本連載の以下の記事でも解説したように、Windows 10 バージョン1607に対してはいつもと同じように「エクスプレスインストールファイル」で配布されましたが、Windows Server 2016は「フルインストールファイル(1GB超)」の巨大なファイルが配布されました。
その後、これらのバージョンには幾つかの累積的な更新プログラムが「Microsoft Update Catalog」を通じてリリースされ、その中にこの問題の修正も含まれました。Windows 10 バージョン1607もこの問題の影響を受け、2017年11月の更新はエクスプレスインストールファイルによる更新が失敗するのではと思いましたが、2017年11月の累積的な更新プログラム「KB4048953」は通常通り、エクスプレスインストールファイルで更新されました(Microsoft Update Catalogで提供された更新を行わなくても)。
そして、Windows Server 2016については、2017年10月の更新をスキップした/しない、Microsoft Update Catalogで提供された更新をインストールした/しないに関係なく、2017年11月の累積的な更新プログラム「KB4048953」はフルファイル形式でのみ配布されました(画面4)。Windows Server 2016のWindows Updateによる更新が正常化するのは、まだ先になりそうです(おそらく2017年12月の定例更新)。本連載 第108回で書いたように、筆者のWindows Server 2016環境のほとんどは2017年10月の定例更新はスキップしましたが、仕方なく、11月の定例更新はスキップせずに行いました。
最後に、2017年10月にサポートが終了したはずのWindows 10 バージョン1511に関して。Windows 10 バージョン1511は、2017年10月の累積的な更新プログラム「KB4041689」のビルド「10586.1176」が最後になると思っていました。
ところが、Windows 10 バージョン1511のEnterprise/Educationエディションに限り、更新サポートが6カ月延長され、「2018年4月」まで重大/重要レベルのセキュリティ問題の修正プログラムが提供されることになりました。
2017年11月には累積的な更新プログラム「KB4048952」が提供され、ビルドは「10586.1232」になりました。この特例措置は“Enterprise/Educationエディション限定”であり、Home/Proエディションは対象外ですのでご注意ください(画面5)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。
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