引き続き、別のパターンのエラーを見てみましょう。
今度は「入力してください」という入力のダイアログに対して、通常は数値を入力するのですが、あえて"文字列"を入力して「OK」としてみてみます。すると、図3のようなエラーメッセージが出現します。
エラーの理由は、文字列型の変数に乗算をしようとしたためです。
この例は、ユーザーに何かを入力させることのリスクを示唆しています。
まず、「入力してください」というテキストが良くないのは明らかです。自分以外のユーザーがこのプログラムを利用するのであれば、入力すべき値が数値なのか、文字列なのかがわかりません。ここは「数値を入力してください」などとすべきでしょう。
また、ユーザーのリテラシーが高くなければ、全角の数値を入力してしまう可能性などもあります。その場合は、InputBoxの入力値を判定する処理などを入れるべきかもしれません。
さて、いくつかのエラーをわざと発生してみましたが、いかがでしたか?
ほんの短いプログラムでも、様々な発見と学びがあったと思います。
このように、エラーメッセージは情報の宝庫であり、バグはあなたが成長するための重要な糧なのです。
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