日頃発生する“面倒くさい業務”。簡単なプログラミングで効率化できる可能性がある。本稿では、業務で使うことが多い「Microsoft Excel」で使えるVBAを紹介する。※ショートカットキー、アクセスキーの解説あり
日々の仕事で発生するちょっとした面倒くさい業務。特定の操作を繰り返すだけなので、今のままでもいいけど、楽になったらいいなと思うこともあるのではないでしょうか。業務を自動化すると時間が空くため、他の業務に時間を充てたり、残業時間を減らしたりできるかもしれません。
本連載では、業務を効率化する手段として「Microsoft Excel」(マイクロソフトエクセル)で使える「VBA」(Visual Basic for Applications)と「G Suite」の「GAS」(Google Apps Script)の使い方を説明し、よくある業務課題の解決策を紹介します。連載第1回はVBA、第2回はGASの説明とセットアップ方法を紹介します。第3回以降は、VBAとGASを使った業務効率化術を取り上げます。
「VBA」とは、Microsoft Excelや「Microsoft Word」「Microsoft Access」「Microsoft PowerPoint」などのソフトウェアを操作することができるプログラミング言語です。いずれも、業務でよく使われるソフトウェアではないでしょうか。VBAを使って、毎日のようにある定型業務を自動化することで、業務効率化を実現することができます。
中でも、Excel対応のVBAつまり「Excel VBA」は人気があるため、使っている人も少なくないでしょう。
VBAを使うと、以下のような操作ができます。
このようなExcelで行える操作は、Excel VBAでもできます。むしろそれ以上のことをExcel VBAは実現が可能です。VBAが使える条件を1つ挙げるとすれば、「手順化できる操作かどうか」ということです。
とあるルールにのっとって数字を集計したり、資料や伝票を作成したりするような業務は、手順化されていることが多々あります。つまり、VBAによる自動化の恩恵に預かれる可能性が高いといえます。具体的には、次のような業務が挙げられます。
他にも、毎月、毎週、毎日発生するルーティンワークや頻繁に発生する業務、複数人で行う業務など、手順化できるExcel業務はたくさんあるでしょう。
ルーティンワークは大切なことですが、誰でもできる業務なので、その中からイノベーションや成長はなかなか生まれません。しかしVBAを使えば、ルーティンワークをPCに任せることができるので、空いた時間でVBAのスキルを磨いたり、クリエイティブな業務を行ったりすることができます。
プログラミングは、習得のハードルが高いように思えるかもしれません。しかし、Excel VBAなら、プログラミング技術を持っていない人でも「学びやすい」と思えるはずです。それには理由があります。
業務でExcelを使っている企業は少なくないでしょう。そのためExcel VBAのスキルを持っていれば、すぐに仕事に生かすことができます。さらに仕事でExcel VBAを使えば、触る時間が自然に多くなるので早くプログラミングを習得できます。
作ったプログラム(マクロ)の効果を直接感じることができるのはモチベーション維持にも一役買いますし、効率化して空いた時間をExcel VBAの学習に充てるといった成長のスパイラルに入ることも期待できます。
このように「関わる習慣を築きやすい」ことが、最初にプログラミングを学ぶ対象としてExcel VBAをお勧めできる最大のポイントです。
VBAは日本の企業でよく使われているので、入門者向けから上級者向けまで、参考書籍が数多くあります。そのため、自分のレベルや用途に合わせて書籍を選ぶことができます。またインターネットの情報も充実しています。
他のプログラミング言語は、開発ツールのインストールやセットアップが必要で、プログラミング初心者にはハードルが高いことも少なくありません。Excel VBAには、プログラムを開発・実行するための「VBE」(Visual Basic Editor)というアプリケーションが組み込まれています。Excelさえあれば、すぐにプログラミングを始めることができます。
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