企業では、Windows 10の新しいスタートメニューや「設定」アプリ、「ストア(Microsoft Store)」アプリ、ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)アプリへのアクセスを、グループポリシー(およびローカルコンピューターポリシー)を用いて細かく制御することができます。
Windows 10のスタートメニューや「設定」アプリ、ビルトインおよび「Microsoft Store」(旧称、Windowsストア)から入手できる「ユニバーサルWindowsプラットフォーム(Universal Windows Platform:UWP)」アプリ(ストアアプリと呼ぶこともあります)へのアクセスや実行は「グループポリシー」(およびローカルコンピューターポリシー)で制御することが可能です。
ただし、中にはバージョン(ビルド)やエディションによる制約もあります。本稿では、Educationエディションについては言及しませんが、Enterpriseエディションと同等と考えてください。
今回は、Windows 10 Enterpriseエディションで利用可能なポリシー設定を解説します。スタート画面やタスクバーは、以下のドキュメントで説明されているように、Windows 10 Proエディションを含め、グループポリシーや「モバイルデバイス管理(Mobile Device Management:MDM)ポリシー」(Microsoft Intuneなどが必要)で制御することができますが、Enterpriseエディションだけで制御可能なものもあるので注意してください。
Windows 10 Enterpriseでは、カスタマイズした「スタート画面」(スタートメニューを開いたときのアプリ一覧の右側にあるピン留め可能なエリア)のレイアウト(ピン留めやタイルのサイズ、アプリのグループ)を、以下のグループポリシーを用いて配布し、クライアントに適用および強制することができます(最新情報:Windows 10 バージョン1703からは、Proエディションでもこのポリシー設定がサポートされるようになりました)。
ユーザーは、このポリシーで配布されたレイアウトを変更することはできません。例えば、グループ名や配置の変更、別のアプリのピン留め、アプリ一覧からのアンインストールはできなくなります(画面1)。
管理者は、マスターコンピュータでスタート画面のレイアウトをカスタマイズし、以下のWindows PowerShellコマンドレットでXMLファイルに出力します。このXMLファイルを共有フォルダに配置して、上記ポリシーにそのUNC(Universal Naming Convention)パスを設定します。
Export-StartLayout -Path <ファイル名>.xml
カスタマイズしたスタート画面は、クライアントの「イメージ展開」や前回説明した「プロビジョニングパッケージ」に含めることも可能です。クライアントのイメージに含めるには、イメージをローカルマウントして「Import-StartLayout」コマンドレットで適用します。
また、プロビジョニングパッケージに含めるには「Windows構成デザイナー」で「プロビジョニングの詳細設定」を開き、「実行時の設定\Policies\Start\StartLayout」で構成します。これらの方法を利用する場合は、Windows 10のエディションは限定されません。
Windows 10 Enterpriseでは、以下のグループポリシーを有効にすることで、「ストア」アプリを使用した「Microsoft Store」(旧称、Windowsストア、2017年10月に名称変更)へのアクセスを制限することができます(画面2)。
「ストア アプリケーションをオフにする」ポリシーと、次の場所にある「ストアへのアクセスをオフにする」ポリシーは、ポリシーの名称は似ていますが、全く異なるポリシー設定なので注意してください。
こちらは、ファイルの種類やプロトコルの関連付けが存在しない場合に、ファイルを開く方法の選択を求めるダイアログボックスに「ストアでアプリを探す」を表示する/しないを制御します(画面3)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.