以上で全作品の紹介が終了。別室での審査の後、各コースの最優秀賞が選出された。なお、ファイナルステージ進出の作品はいずれも、既に何らかの優秀賞、部門賞を受賞している。最終結果は以下の通りだ。
for Allコースの最優秀賞を獲得した「GROOVE v2.0」の代表者は「時間をかけて完成度を上げてきた作品の姿を理解してもらえた。個人的に思い入れが深い作品なので、2年越しでの最優秀賞が非常にうれしい。今後についても期待されていると感じているので、より多くの方からのフィードバックを基に改善を続けていきたい」とコメントした。
審査員の麻生氏は「ファイナルステージ進出の作品があまりに『異種格闘技』状態だったため、何を基準に最優秀賞を選ぶのか、審査員の中でも全く意見がまとまらず、ここ数年でも最もカオスな状態だった」と、混迷した審査の様子を振り返った。「GROOVE v2.0」については「今回の受賞で終わりではなく、賞金を今後の開発に生かしてくれそうだと感じた」ことが個人的な選定のポイントになった。また他の審査員からも、いずれの作品もレベルが高い中で、周囲の人々を巻き込み、コミュニティーのフィードバックを得ながら改善を続けていくというGROOVEの開発過程を高く評価するコメントが聞かれた。
麻生氏は、イベント全体の講評として「APIを使ったマッシュアップの開発コンテスト」だったMAが、約3年前を境にハードウェア、IoT開発などを取り込みつつ、急速に「開発」の裾野を広げている点を指摘。ジャンルについても、デザインやアート、エンターテインメントといった各領域の融合が進むと同時に、MA2017では「ビジネス色」を感じさせるものも増え、「開発コンテスト」としての幅が広がっていることを感じたとした。
そうした中、次回以降のMAについては、これまでとは違う運営体制で開催されることが発表された。Mashup Awardsは第1回から、リクルートが幹事的な立場で運営を行ってきたが「10年以上にわたる盛り上がりと、近年の裾野の広がりを考慮すると、リクルートという一企業が主体であるよりも、より公共性のある形に運営方法を変えていくことがMashup Awardsにとってふさわしいと判断した」とする。具体的には、Mashup Awardsの実施を主事業の1つとする一般社団法人を新たに設立。その中に設けられる運営委員会を主体にイベント運営を行っていく予定。今後の詳細は、決まり次第順次発表される。
新法人の代表理事に就任を予定しているMashup Awards事務局の鈴木まなみ氏は、最後にあいさつに立ち「2018年以降も、皆さんの期待を裏切らないものを作っていきたい」と力強く宣言した。「開発」の裾野が広がり「マッシュアップ」の意味も変容しつつあるこのタイミングで、運営体制をリニューアルする「Mashup Awards」が、どのように進化していくのか、引き続き注目したい。
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