Microsoftは、データがどこにあるか、どこに転送されているかにかかわらず、データを保護する一連の機能の一般提供開始とプレビュー版を発表した。データのライフサイクル全体を自社の情報保護機能で保護する方針の一環だ。
Microsoftは2018年2月22日(米国時間)、データがどこにあるか、どこに転送されているかにかかわらず、データを保護する一部機能の一般提供開始とプレビュー版の提供を発表した。また、「Azure Information Protection」(AIP)と「Office 365のセキュリティ/コンプライアンスセンター」でのラベル付け操作の統一が大幅に進んだことも明らかにした。
これらの発表の概要は以下の通り。
「AIPスキャナー」は、Windows Serverでサービスとして実行され、以下のデータストア上のファイルを検出、分類、ラベル付け、保護できる。
WindowsのAIPクライアントで提供されてきたラベル付けおよび保護機能が、Mac上でも利用できるようになった。「これにより、これら保護機能を必要とするさまざまなシナリオが可能となり、新たな手法の情報保護ソリューションが登場するだろう」とMicrosoftは述べている。
AIPと、Office 365のセキュリティ/コンプライアンスセンターでのラベル付けと保護の統一スキーマのプレビュー版が提供開始された。
Microsoftは、全てのMicrosoftおよび非Microsoftアプリケーション/サービスに対して分類、ラベル付け、保護(CLP:Classification, Labeling and Protection)機能の統合を目指している。この目的のために、「Information Protectionプラットフォーム」を、Microsoftの社内開発者が利用しているのと同じレベルのラベル付けおよび保護をサポートするSDKとして、パートナーに提供することに取り組んできた。
今回、このSDKのプレビュー版がWindows、Mac、Linuxプラットフォーム向けにリリースされた。このSDKを使えば、Office 365、AIPスキャナー、AIPクライアント、「Cloud App Security」といったMicrosoftサービスと連携してコンテンツのラベル付け、保護を行う機能をアプリケーションに統合できる。
多くのパートナーが、こうした機能のアプリケーションへの統合に取り組んでいるという。
Microsoftは、AIPとCloud App Securityの統合強化により、新しいシナリオを実現し、クラウドアプリケーション内のデータへの情報保護適用を目指している。この目的に向けて最近、SaaSアプリケーションのファイルに対するネイティブラベル付け機能のプレビュー版を発表した。
きめ細かなセキュリティロール管理を可能にし、顧客からの高い需要に対応するため、Microsoftは、「Information Protection Administrator」という新しいAzure Active Directory(Azure AD)ロールを追加した。Information Protection Administratorは、AzureポータルやRights Management サービス(RMS)PowerShellを使って、AIPポリシー、ラベル、保護テンプレートを管理できる。
AIPを管理できる既存のグローバル管理者ロールやセキュリティ管理者ロールとは異なり、Information Protection Administratorロールのメンバーには、Azure ADユーザーおよびグループのクエリを除けば、Azureサービスに関する管理権限はない。このロールを使えば、Azure ADに関する他の権限を付与することなく、Azure Information Protectionポリシー管理を委任できる。
Azure ADのDirectoryロール定義、またはPowerShellコマンドの「Add-MsolRoleMember」により、ユーザーをこのロールに追加できる。
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