Intelは、デベロッパーによるAIプロトタイプの市場投入を支援する新プログラム「Intel AI: In Production」を立ち上げ、その最初のパートナーとしてAAEON Technologiesを選定した。
Intelは2018年2月27日(米国時間)、デベロッパーによる人工知能(AI)プロトタイプの市場投入を支援する新プログラム「Intel AI: In Production」を発表した。
デベロッパーがプロトタイプを完成させると、次のステップは生産だ。だが、小規模の企業や起業家にとって生産は困難であり、コストも高くつく。そこでIntelは、生産を容易にするために、先進的な産業および組み込みコンピューティングプラットフォームの大手メーカーであるAAEON Technologiesを、Intel AI: In Productionの最初のパートナーに選定した。AAEONはこのプログラムを通じて、低消費電力の「Intel Movidius Myriad 2 Vision Processing Unit(VPU)」を製品設計に統合する2つの効率的な生産パスを開発者に提供する。
1つは、AAEONの「UP Bridge the Gap AI Core」(AI Core)だ。これはIntel Movidius Myriad 2 VPUを搭載するmini-PCIeモジュールで、広範なx86ホストプラットフォームとともに使用できるように設計されている。AI Coreは、ディープニューラルネットワークアクセラレーターであるIntel Movidius Myriad 2 VPUの省電力性と高パフォーマンス機能を提供する。また、世界中の数千の機械学習開発者や企業が既に使用している「Intel Movidius Neural Compute SDK」ソフトウェアスイートと互換性がある。
一方AAEONは、高度なカスタマイズを必要とする企業向けに、開発および基板製造サービスも提供する。このサービスにより、こうした企業は「Intel Movidius Neural Compute Stick(NCS)」ベースのプロトタイプから、効率的にカスタム基板に移行できるという。Intel Movidius NCSは2017年7月の発表以来、数万人の開発者を獲得している。
AAEONのバイスプレジデントで、AAEON Technology Europeのマネージングディレクターを努め、UP Bridge the Gapの創設者であるファブリツィオ・デル・マフェオ氏は次のように説明する。
「Intel Movidius Myriad 2技術により、AI Coreは、エッジコンピューティング用の強力で多用途なAIハードウェアアクセラレーターの1つとなっている。AI Coreはラボと量産を橋渡しし、Intel Movidius NCSを採用したイノベーターが、フィールドデプロイを進めることを可能にする」
Intelの顧客は、既にIntel AI: In Productionプログラムを通じて製品開発を行っている。その先頭に立っているのが、Diam International傘下のCONEXだ。CONEXは、化粧品業界向けのPOSディスプレイシステムの設計、製造を担う大手グローバル企業。早ければ2018年春にも、AI搭載のPOSリテールデバイスを業界最大級の化粧品販売店向けにデプロイできる見通しだという。
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