Microsoftは、アプリやWebサイト、botにAI機能を取り入れるためのAPIサービス「Microsoft Cognitive Services」に含まれる「Custom Vision Service」のパブリックプレビュー版と、「Bing Entity Search API」の一般提供開始などを発表した。
Microsoftは2018年3月1日(米国時間)、「Microsoft Cognitive Services」(以下、Cognitive Services)の新サービス「Custom Vision Service」のパブリックプレビュー版と、「Face API」の新機能「ミリオンスケール認識」、Cognitive Servicesの検索機能の一部である「Bing Entity Search(エンティティ検索) API」の一般提供開始を発表した。
Cognitive Servicesは、アプリケーションやWebサイト、botに視覚、音声、知識、検索、言語に関する人工知能(AI)機能を取り入れるためのAPIを提供するクラウドサービスだ。
Custom Vision Serviceでは、最先端のコンピュータビジョンモデルを独自の用途向けに簡単にカスタマイズが可能だ。具体的には、独自の画像データをアップロードして簡単に「分類器」を訓練し、モデルをエクスポート。このモデルをアプリケーションに直接埋め込み、iOSやAndroid、さまざまなエッジデバイスで、リアルタイムかつオフラインで実行できる。
Custom Vision Serviceは、数回のクリックで多様なシナリオに利用が可能だ。例えば、「小売業者が、カタログの画像を自動分類できるモデルを簡単に作成する」「ソーシャルサイトが特定の商品の画像を効果的にフィルタリングし、分類する」「国立公園当局が、カメラ画像に野生動物が含まれるかどうかを検知する」といったことができる。
またCustom Vision Serviceは、iOS 11向けに「CoreML」フォーマットで、Android向けに「TensorFlow」フォーマットでモデルをエクスポートできる。エクスポートされたモデルは、モバイルデバイスの制約を考慮して最適化されているため、デバイスの分類をリアルタイムで行うことができる。
Microsoftは、Cognitive Servicesに含まれる「Face API」の新機能「ミリオンスケール認識」を発表した。Face APIでは、写真に含まれる顔の検出、識別、分析、グループ化、タグ付けが可能だ。ミリオンスケール認識機能は、最大100万人の新タイプの人物グループと、最大100万の顔を含む新タイプの顔リストを扱うことができる。開発者はこの機能により、Face APIに最大100万人を認識させた上で、瞬時に応答を行わせることができる。
さらにMicrosoftは、Bing Entity Search APIの一般提供開始も発表した。Bing Entity Search APIは、Cognitive Servicesに含まれる検索APIの1つだ。こうした検索APIをアプリケーションに追加すれば、Microsoftの検索サービス「Bing」を通じて、何十億というWebページや画像、動画、ニュースを調べる機能を実装できる。
Bing Entity Search APIは、エンティティ情報を通じて、人、場所、物、地元企業などに関する豊富なコンテキストをアプリケーションやブログ、Webサイトに渡し、より魅力的なユーザーエクスペリエンスを実現できるという。
開発者はBing Entity Search APIにより、検索に使われたキーワードを基に、最も関連性が高いエンティティを特定し、それらのエンティティに関する詳細情報を提供して、コンテンツをより充実させることができる。エンティティタイプには、有名人、場所、映画、テレビ番組、ビデオゲーム、本、地元企業などが含まれる。
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