AWSが発表、提供開始した「Amazon S3」の新しいストレージクラス「One Zone-Infrequent Access」は、オブジェクトを1つのアベイラビリティーゾーンに保存する低コストオプションだ。
Amazon Web Services(AWS)は2018年4月4日(米国時間)、オブジェクトストレージ「Amazon S3」(Amazon Simple Storage Service)の新しいストレージクラス「One Zone-Infrequent Access(One Zone-IA)」を発表、提供開始した。
S3 One Zone-IAは、オブジェクトを1つのアベイラビリティーゾーン(AZ)に保存するストレージクラスだ。「Amazon S3標準」クラスや「Amazon S3標準 - 低頻度アクセス(標準 - IA)」クラスでは、複数のAZでデータの耐障害性を確保する方式が採用されているが、それを必要とせず、アクセス頻度が低いデータ用の低コストなオプションを必要としているユーザー向けに設計されている。
S3 One Zone-IAクラスでは、アクセス頻度の低いデータを1つのAZに保存することで、「S3標準 - IAクラスよりコストを20%安くすることができる」という。
S3 One Zone-IAクラスで想定されている、アクセス頻度の低いデータに関するユースケースには、オンプレミスデータのセカンダリーバックアップコピーの保存に加え、コンプライアンスやDR(災害復旧)を目的とした、他のAWSリージョンからの複製先ストレージとしての利用などが含まれている。
1つのAmazon S3バケットにはS3 One Zone-IA、S3標準、S3標準 - IAを混在させることができる。そのため、管理者はデータの性質、データアクセスパターン、コストを基に、これらを組み合わせた使い方を決めることができ、アプリケーションに変更を加える必要はない。
加えてS3 One Zone-IAクラスは、Amazon S3の全ての機能(S3ストレージクラス分析、S3オブジェクトのタグ付け、S3ライフサイクルポリシー、S3クロスリージョンレプリケーションなど)と統合されている。
ユーザーはS3ライフサイクルポリシーを利用して、データの作成から時間が経過するとともに、データを自動的に、より低コストのストレージクラスに移行できる。
また、S3クロスリージョンレプリケーションを利用して、データを他のリージョンに複製することも可能だ。このポリシーにより、例えば、あるリージョンのS3標準クラスから別のリージョンのS3 One Zone-IAクラスへの複製を自動化することで、データ保護ニーズを満たすことができる。
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