2018年3月のセキュリティクラスタは「コインチェック」「IPA」「パスワード」に話題が集まりました。コインチェックから流出した仮想通貨NEM(通貨単位XEM)が、ついに全て売られてしまいました。IPAが注目を集めたのはユーザーの情報を漏らしてしまったためです。さて長年、定期的に変更するよう推奨されてきたパスワードはどうなったのでしょうか。
2018年1月、仮想通貨取引所コインチェックから盗まれてしまったNEM(通貨単位XEM)。犯人確定につながるように追跡用のモザイクが付くなど、犯行後の足取りが追われていました。しかし、手を替え品を替え少しずつ売られていきます。
2月には4分の1程度が売られていましたが、3月に入ると勢いが加速。その様子を日々@MasafumiNegishiさん他が報告してきました。結局、特に打つ手だてもなく売られていく様子を眺めるだけになってしまいます。
そのままXEMが売られていき、3月20日、ついにNEM財団は追跡用モザイクの送信を停止してしまいます。これで犯人追跡の手だては全くなくなりました。世界最大の仮想通貨取引所「Binance」へのNEM上場と同じタイミングだったので、その関連をいぶかしがる人もいました。
モザイク送信の停止によって、盗まれたXEMの販売は加速。3月22日には全てのXEMが売られてしまいました。盗んだ側の勝利に終わったということです。北朝鮮が盗難に関わっていたという意見もありましたが、完売のお知らせに北朝鮮の金正恩氏が喜ぶ画像が使用されていたことから、関係ないのではという意見が多くありました。これだけでは犯人は分からないという意見もありました。
盗まれた側のコインチェックは、仮想通貨の一部出金を再開し、徐々に機能を取り戻しつつあるようです。
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