Microsoftは、「Project “Honolulu”」と呼ばれてきたWindows ServerおよびWindows 10のGUI管理ツールを「Windows Admin Center」として正式リリースした。
Microsoftは2018年4月12日(米国時間)、「Project “Honolulu”」と呼ばれてきたWindows ServerおよびWindows 10のグラフィカル管理ツールを「Windows Admin Center」として正式リリースしたと発表した。
Project “Honolulu”は2017年9月にテクニカルプレビュー版がリリースされ、これまでに累計5万回以上ダウンロードされるなど注目されてきた。
Windows Admin Centerは、Windows ServerやWindowsの日々の管理作業で使用される多数のコンソールを統合し、「現代的でシンプルな、統合型の安全なリモート管理環境を提供する」とMicrosoftは述べている。
同社はWindows Admin Centerの特徴として以下を挙げている。
Windows Admin Centerは、物理システム、仮想マシン、任意のハイパーバイザー、あるいは任意のクラウド上のWindows ServerおよびWindows 10インスタンスを管理できる。クラウドに接続し、仮想マシンを保護するための「Azure Site Recovery」との統合など、オプションの付加価値機能を利用できる他、多要素認証によるアクセス制御のために「Azure Active Directory」をサポートする。
Windows Admin Centerでは、さまざまなツールやコンテキストを切り替える必要がなく、リソースを包括的に把握し、掘り下げて詳細を調査できる。サーバおよびクライアントマシンだけではなく、フェイルオーバークラスタやハイパーコンバージドインフラも管理できる。
近いうちに、Windows Admin Centerはサードパーティーソリューションからも利用できるように拡張される。「例えば、サードパーティーのハードウェアベンダーがWindows Admin Centerを使用して、自社ハードウェアの管理機能を提供するようになる見通しだ」とMicrosoftは説明している。
Windows Admin CenterはMicrosoftのWebサイトからダウンロード配布されており、本番環境での利用がサポートされている。
Microsoftのブログ記事に掲載されたFAQや、Windows Admin Centerのドキュメントによると、Windows Admin CenterはWebブラウザで動作し、Windows Server 2012/2012 R2/2016、Windows 10を管理できる。近くリリースされる「Windows Server 2019」に最適化されることになっている。
Windows Admin Centerのブラウザサポートに関しては、Windows 10上で「Microsoft Edge」と「Google Chrome」がテスト、サポートされている。他のWebブラウザやプラットフォームは、現時点ではテスト対象となっておらず、正式にはサポートされていない。
また、Windows Admin Centerは、多くの一般的な管理シナリオに対応しているが、従来の「Microsoft管理コンソール(MMC)」全てに完全に取って代わるわけではない。
さらに、Windows Admin CenterはRSAT(リモートサーバ管理ツール)を補完するが、これに取って代わるものではない。Active Directory、DHCP、DNS、IIS(インターネットインフォメーションサービス)といったロールについては、Windows Admin Centerでは同等の管理機能が用意されていないからだ。
一方、Windows Admin Centerの利用にインターネットアクセスやMicrosoft Azureは必要ではない。さまざまなAzureサービスとの統合機能が追加されていく予定だが、それらはオプションの付加価値機能であり、Windows Admin Centerの利用に必須とはならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.