Windows Server 2012以降のWSUSサーバは、Windows 10の更新管理に対応しており、品質更新プログラム(セキュリティ更新やバグ修正)と機能更新プログラム(アップグレード)の両方をWSUSクライアントに展開できます。以下の画面4は、WSUSに同期された機能更新プログラム(Upgrades分類)を一覧表示したものです。
2018年1月から、ボリュームライセンス向けは「Windows 10(ビジネスエディション)」、製品版(OEMプリインストール製品やパッケージ製品)は「Windows 10(コンシューマーエディション)」というタイトルで提供されるようになったため、分かりにくいのですが、それ以前の機能更新プログラムのタイトルを見てください。Homeエディションが存在しないことに気付いたでしょうか。つまり、Windows 10 Homeエディションは、WSUSによる更新管理の対象になっていないということが分かります。
Windows 10は、モバイルデバイス管理(MDM)機能が強化されています。Windows 10のMDM機能は、Homeエディションにも搭載されています。この機能は本来、企業におけるWindows 10 PCのBYOD(Bring Your Own Device:個人デバイスの業務利用)利用シナリオや、個人所有/会社所有のWindows 10 Mobileデバイスの利用シナリオを想定したものですが、Windows 10 Homeの企業内管理機能を補完するものとしても利用できます(画面5)。
例えば、MDMポリシーによるセキュリティポリシーの配布(PINの強度やロック強制など)、Azure Active DirectoryのIDとデバイス登録に基づいたクラウドリソースや社内リソースへのアクセス制御などが可能です。
ただし、Windows 10のMDM機能でサポートされる全ての機能が、Homeエディションでも利用できるわけではありません。また、MDM機能を利用するには、「Microsoft Intune」や他社MDMソリューションが必要になります。
企業内の通常のクライアントPCとして、これまでと同じように利用したいのであれば、やはり、Windows 10 ProまたはEnterpriseへ、エディションをアップグレード(有料)するのが早道です。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.