Microsoftは、「SharePoint」の2018年のビジョンとロードマップを発表した。複合現実エクスペリエンスを提供する「SharePointスペース」や、SharePoint関連の新しいAI機能が目玉となった。
Microsoftは2018年5月21日(米国時間)、「SharePoint Virtual Summit」において、コラボレーションソフトウェア「SharePoint」の2018年のビジョンとロードマップを発表した。発表では、AI(人工知能)やMR(複合現実)への投資を生かし、今日の職場でのコンテンツコラボレーションを変革するSharePointのイノベーションが披露され、MRエクスペリエンスを提供する「SharePointスペース」や、SharePoint関連の新しいAI機能が目玉となった。
今回、発表されたSharePointスペースでは、ユーザーはさまざまな角度からコンテンツを表示、利用したり、データやプロダクトモデルをリアルタイムで可視化、操作したりすることができる。また魅力的な没入型のMRエクスペリエンスを構築し、あらゆる人、デバイスに提供が可能だ。
MRエクスペリエンスは、没入感や集中力の喚起、五感への働き掛け、好奇心や想像力の刺激を通じて、人材採用、学習、商品開発など、さまざまなビジネスシーンにおけるコミュニケーションやコラボレーションの新しいシナリオ構築を支援する。
これまで、そうした新しいビジネスシナリオに対応したカスタムMRアプリケーションを開発し、職場で広く利用できるようにするには、法外なコストや手間がかかった。大抵の場合、高価なヘッドセットが必要になるからだ。
SharePointスペースを使えば、ポイント&クリックで簡単に没入型エクスペリエンスを構築できる。テンプレートを利用することで、美しい背景や快適なサウンド、表現力が豊かなテクスチャ、光の効果を完備したMR環境を作成可能だ。そこにSharePointで管理しているファイルといったコンテンツを追加し、既存のデータ、ドキュメント、画像を転用できる。Microsoftの顧客の中には1P(ペタ)B以上の、携帯電話で撮影した360度動画をはじめとする3Dコンテンツを既に使っているケースもあるという。
「SharePointスペースは、3Dコンテンツを表示、操作するための自然な方法であり、人々が実世界や2次元環境では扱えない膨大で、巨大かつ動的なオブジェクトの操作を可能にする」と、Microsoftは説明している。
SharePointスペースは誰でも任意のブラウザ、モバイルブラウザ、ヘッドセットから、魅力的な仮想スペースに没入し、コンテンツや情報、動画を表示、操作できる。Microsoft AIが統合されており、Microsoft Graphから得た知識を利用して、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供し、人とコンテンツのつながりを探索したり、データから洞察を得たり、目的の情報やノウハウを探したりできる。SharePointスペースは、全てのOffice 365商用プランで利用可能だ。
SharePointスペースは拡張可能だ。Microsoft 365などのデータソースおよびサービスのコンテンツで内容を拡充でき、自社のブランドに合わせてカスタマイズできる。またSharePoint FrameworkでSharePointスペースの新機能を作成可能だ。Microsoftのパートナーは、SharePointスペースに組み込めるWebパーツやエクスペリエンスを開発する見込みだという。
「SharePointは、ファイル、Webサイト、そして間もなくMR分野もカバーする」とMicrosoftは述べている。Microsoftの顧客やパートナーは、SharePointスペースの早期限定プレビュープログラムに申し込める。
SharePointは、Office 365におけるコンテンツコラボレーションを支えており、AIが統合されている。Microsoftは、AIに基づく以下のSharePoint機能を発表した。
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