日本ハムファイターズの本拠地移転、本当の狙いとは?〜野球場とERPの意外な共通点〜久納と鉾木の「Think Big IT!」〜大きく考えよう〜(11)(3/3 ページ)

» 2018年06月08日 05時00分 公開
[久納信之/鉾木敦司,ServiceNow Japan]
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Think Big ITで行こう! あなたの心構えも大切だ

 さて、今回はここまで以下の流れで話を進めてきた。

  1. 身近なところ、あなたの周りにはいくらでもサービスマネジメント適用の機会がゴロゴロ転がっていること
  2. サービスの単位で捉えると、サービスは複数のサービスやテクノロジーから構成されており、これはITサービスの範囲にとどまらず、規模や大きさに関係なく、全てのサービスに共通していることであり、コアサービス、実現サービス、強化サービスに整理できる
  3. サービスマネジメントとは日々の運用だけを指すものではなく、IT部門の俯瞰的な活動を表すものであって、サービスの創造、戦略から設計構築、日々のオペレーションと継続的改善によって価値を常に高める活動であること
  4. モノからコト(新たな体験=価値)へとビジネスのサービスシフトが加速する中、あなたが属するIT部門がサービスマネジメントの経験と知見を最大限活用しビジネスを主導する時がきたこと

 すでにITに携わるあなたは、明確に意識していたか否かは別にして、長年このサービスマネジメントを現場で実践してきたはずだ。そして、世の中にはITILやITSMといった実績のあるフレームワーク(基本的な考え方とベストプラクティスという手法)も既に確立している。だから、あなたにとってビジネスのサービスシフトを主導する第一歩のハードルは限りなく低いはずだと信じたい。そう、今まさにビジネスのサービスシフトを主導するチャンスが到来していると考えるべきだろう。

Think Big IT!

 筆者はサービスマネジメントの適用や展開に当たって、いや、今後のビジネスやITを主導するあなたにとってThink Big ITという心構えがあるべきだと考えている。これは世界でも日本でも業界の共通語でもない。久納と鉾木の筆者が提唱する考え方なのだがぜひ考えてみてほしい。

 Think Big ITとは、それは単にITを高度化することを目的にするのではなく、より大きな視点でサービスマネジメントを捉え実践することだ。具体的には、”Innovation”、”Speed”、”Synergy”、”Global”を意識することだと考えている。

  • Innovation:新しい発想でビジネスイノベーションをITが主導すること
  • Speed:ビジネスの変化に俊敏に対応すること、新規ビジネスの立ち上げを短期間で実行すること
  • Synergy:他社との協業によってビジネスを加速することや、多数の技術・サービスの組み合わせから構成されるビジネスイノベーションを加速すること
  • Global:文字通りビジネスをグローバルに拡大すること

 どうだろう? サービスマネジメントにThink Big ITというマインドも組み合わせてみたら面白いことになりそうな気がしてはこないだろうか? IT部門に属するあなたは、今こそITサービスマネジメントのベストプラクティスと今まで培ってきた経験を最大限使ってビジネスのサービスマネジメントシフトを主導すべきだ! と言いたい

 さあ、これからのデジタルビジネスイノベーションをサービスマネジメントという概念で主導し活躍しよう。

著者プロフィール

久納 信之(くのう のぶゆき)

ServiceNow ソリューションコンサルティング本部 エバンジェリスト

米消費財メーカーP&Gにて長年、国内外のシステム構築、導入プロジェクト、ITオペレーションに従事。1999年からはITILを実践し、ITSMの標準化と効率化に取り組む。itSMF Japan設立に参画するとともにITIL書籍集の日本語化に協力。2004年からは日本ヒューレット・パッカード株式会社、その後、日本アイ・ビー・エム株式会社においてITSMコンサルタント、エバンジェリストとして活動後現在に至る。「デジタルビジネスイノベーション=サービスマネジメント!」が標語・座右の銘。EXIN ITILマネージャ認定試験採点を担当。著書として『アポロ13に学ぶITサービスマネジメント』『ITIL実践の鉄則』『ITILv3実装の要点』(全て技術評論社)などがある。

鉾木 敦司(ほこき あつし)

ServiceNow ビジネス推進担当部長

日本ヒューレット・パッカード株式会社に19年間勤務。顧客システム開発プロジェクト、ハードウェア・プリセールス、ソフトウェア・プリセールス、プリセールス・マネージャー、ソフトウェアビジネス開発に従事。2017年より現職。一男三女の父であり、30年後も多くの日本企業が世界中で大活躍する野望実現のため、サービスマネージメント・プラットフォームの重要性啓蒙活動にいそしむ。電気情報通信学会発表論文に『OSS市場と市販製品の動向-市場成熟度が製品シェアに与える影響』がある。


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