さて、今回はここまで以下の流れで話を進めてきた。
すでにITに携わるあなたは、明確に意識していたか否かは別にして、長年このサービスマネジメントを現場で実践してきたはずだ。そして、世の中にはITILやITSMといった実績のあるフレームワーク(基本的な考え方とベストプラクティスという手法)も既に確立している。だから、あなたにとってビジネスのサービスシフトを主導する第一歩のハードルは限りなく低いはずだと信じたい。そう、今まさにビジネスのサービスシフトを主導するチャンスが到来していると考えるべきだろう。
筆者はサービスマネジメントの適用や展開に当たって、いや、今後のビジネスやITを主導するあなたにとってThink Big ITという心構えがあるべきだと考えている。これは世界でも日本でも業界の共通語でもない。久納と鉾木の筆者が提唱する考え方なのだがぜひ考えてみてほしい。
Think Big ITとは、それは単にITを高度化することを目的にするのではなく、より大きな視点でサービスマネジメントを捉え実践することだ。具体的には、”Innovation”、”Speed”、”Synergy”、”Global”を意識することだと考えている。
どうだろう? サービスマネジメントにThink Big ITというマインドも組み合わせてみたら面白いことになりそうな気がしてはこないだろうか? IT部門に属するあなたは、今こそITサービスマネジメントのベストプラクティスと今まで培ってきた経験を最大限使ってビジネスのサービスマネジメントシフトを主導すべきだ! と言いたい。
さあ、これからのデジタルビジネスイノベーションをサービスマネジメントという概念で主導し活躍しよう。
久納 信之(くのう のぶゆき)
ServiceNow ソリューションコンサルティング本部 エバンジェリスト
米消費財メーカーP&Gにて長年、国内外のシステム構築、導入プロジェクト、ITオペレーションに従事。1999年からはITILを実践し、ITSMの標準化と効率化に取り組む。itSMF Japan設立に参画するとともにITIL書籍集の日本語化に協力。2004年からは日本ヒューレット・パッカード株式会社、その後、日本アイ・ビー・エム株式会社においてITSMコンサルタント、エバンジェリストとして活動後現在に至る。「デジタルビジネスイノベーション=サービスマネジメント!」が標語・座右の銘。EXIN ITILマネージャ認定試験採点を担当。著書として『アポロ13に学ぶITサービスマネジメント』『ITIL実践の鉄則』『ITILv3実装の要点』(全て技術評論社)などがある。
鉾木 敦司(ほこき あつし)
ServiceNow ビジネス推進担当部長
日本ヒューレット・パッカード株式会社に19年間勤務。顧客システム開発プロジェクト、ハードウェア・プリセールス、ソフトウェア・プリセールス、プリセールス・マネージャー、ソフトウェアビジネス開発に従事。2017年より現職。一男三女の父であり、30年後も多くの日本企業が世界中で大活躍する野望実現のため、サービスマネージメント・プラットフォームの重要性啓蒙活動にいそしむ。電気情報通信学会発表論文に『OSS市場と市販製品の動向-市場成熟度が製品シェアに与える影響』がある。
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