ZFS Storage Applianceは、今日の企業システムで発生するさまざまなワークロードを高いコストパフォーマンスで処理できるよう設計されている。
「近年は高速化を目的としたオールフラッシュのストレージ製品が登場していますが、やはりコストが高くつきます。それに対して、ZFS Storage Applianceはコストパフォーマンスの高いハイブリッド型ストレージとして、DRAM、フラッシュメモリ、HDDの特性をフルに活用して高い性能を発揮するよう設計されています」(迎田氏)
高性能を実現する上では、ナノ秒レベルのパフォーマンスを持つDRAMをうまく使うことが鍵となる。ZFS Storage Applianceの場合、最新版のZS7-2の上位モデルでは1.5TBものDRAMを備えるなど多くのDRAMを搭載し、それを補完するために第2階層としてフラッシュメモリを利用。最終的なデータ格納先としてHDDを搭載する。そして、実際のI/O処理の大半をDRAM上のキャッシュにヒットさせることで極めて高いパフォーマンスを確保しているのだ。
また、プライベートかパブリックかを問わず、クラウド上ではさまざまなワークロードが同時に実行される。日本オラクルの佐藤義徳氏(ソリューション・エンジニアリング統括 クラウド・インフラストラクチャー本部 システムソリューション部 プリンシパルセールスコンサルタント)は、「ZFS Storage Applianceは、OSとして堅牢(けんろう)性とパフォーマンスの高さで定評のある『Oracle Solaris』を搭載しています」と説明する。
「Oracle Solarisで稼働するZFS Storage Applianceの特長は、マルチスレッドを高速かつ安定して処理できる点です。今日のシステム集約では仮想マシンが使われますが、ZFS Storage Applianceは従来のNAS製品と比べて低いCPU使用率でより多くの仮想マシンを実行可能なため、多くのシステムを高い集約度で統合できるのです」(佐藤氏)
さらに、クラウド上で動作するさまざまなアプリケーションが、それぞれどのように実行されているか確認でき、性能面の問題が生じている場合にボトルネックを素早く突き止められることも肝心だ。
「ZFS Storage Applianceには『Analytics』というパフォーマンス監視/分析機能が備わっています。これを使うことで、それぞれのアプリケーションがどのようなI/Oリクエストを受けて、それをどのように処理しているのかをビジュアルにドリルダウンしながら詳細に可視化/分析し、性能上のボトルネックを迅速に特定できます」(佐藤氏)
可視化/分析はI/Oや仮想マシンの単位で行える他、「Oracle Database」に関してはプラガブルデータベース(PDB)の単位でリソース使用状況を細かく見ることができる。
「PDBのリソース使用状況をストレージ側からモニタリングできることは重要です。一般に、データベースで性能問題が生じると真っ先にストレージが疑われるのですが、たとえストレージに問題がない場合でも、そのことを即座に証明することは難しい。ZFS Storage Applianceならばストレージ側からPDBの稼働状況を見られるので、本当にストレージの問題なのか、そうだとしたら原因は何なのかをビジュアルな画面で素早く突き止められます」(佐藤氏)
多数のシステムを集約するストレージには、高いセキュリティも求められる。ZFS Storage Applianceは、それぞれのアプリケーションの要件に応じて暗号化のレベルをきめ細かく設定し、マルチテナント環境でも安全に利用できる。
また、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)やActive Directoryなどの認証機構に対応し、強力なアクセスコントロール機能を搭載するので、内部攻撃からもストレージ上のデータを保護できる。さらに、Oracle Databaseの運用に関するセキュリティ面のベストプラクティスをサポートしており、データベースの運用管理で生じるさまざまな作業を安全に行えることも重要なポイントだろう。
以上のようなZFS Storage Applianceの特長により、すでに多くの企業が高い投資対効果(ROI)を実現している。
「例えば、映画『キングコング』『ロード・オブ・ザ・リング』などのCG制作を手掛けていることで知られるニュージーランドのWeta Digital様は、映像制作システムのストレージとしてZFS Storage Applianceを採用。それまで利用していたNAS製品の半分のリソースで2倍のスループットを実現し、ターンアラウンドタイムを大きく短縮しました」
また、米国のとあるプロセッサ設計会社は、NASによる社内のストレージ環境をZFS Storage Applianceによってリプレース。性能を維持したままリソース規模を4分の1にダウンサイジングし、総所有コスト(TCO)を84%削減した。
さらに、米国のとある大手金融会社は、NAS製品からZFS Storage Applianceへの移行によってストレージ設備の設置面積を25%削減。性能は12倍向上し、年間の運用コストを2400万ドル削減することに成功したという。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月12日
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