ストレージを使用するデータベースやアプリケーションを考慮して設計されており、それらの実行に際して高いパフォーマンスを発揮することはZFS Storage Applianceの大きな特長だと迎田氏は話す。
「Oracle Databaseには『Hybrid Columnar Compression(HCC)』という機能が備わっています。これは『Oracle Database11g R2』で導入されたデータベース圧縮機能であり、Oracleのストレージ製品だけで有効にできます。ZFS Storage Applianceでは、HCCを使うことでストレージのデータ容量を大きく圧縮し、データベースクエリの実行性能を大幅に高められます」(迎田氏)
またZFS Storage Applianceは、独自プロトコル「Oracle Intelligent Storage Protocol(OISP)」によってOracle Databaseと通信を行い、データベースサーバからのI/Oリクエストがどのような種類のものかを理解し、事前に必要な準備を行った上で動作する。
「データベースサーバが投げるI/Oリクエストを事前に知り、受け取ったデータをフラッシュ上に保持するか、それともHDDに直接書き込むかを判断して動作するので、それによる性能面のアドバンテージは計り知れません」と佐藤氏は力説する。
「例えば、I/Oの種類がRecovery Manager(RMAN)によるバックアップなら、そのデータが直後に参照されることはないため、ZFS Storage Applianceでは、メモリ上に保持せずに直接HDDに書き込んでメモリの無駄遣いを避けます。他社のストレージ製品ではこうした事前の判断はできないので、RMANによる大量の書き込みで瞬く間にメモリ領域が消費され、システム全体のパフォーマンスが低下します。また、これまでストレージで高い性能を得るためにはI/O特性に合わせたチューニングが不可欠でしたが、ZFS Storage Applianceではそれも不要です」(佐藤氏)
OISPが性能向上にもたらす効果は絶大で、Oracleが実施した検証によれば、同プロトコルの使用を有効にした場合と無効にした場合とでは、コントロールファイルへのアクセスで13.5倍、ログファイルへのアクセスで3.9倍、1分間当たりのOLTP(Online Transaction Processing)トランザクションで約19%の性能差が生じたという。
「手作業によるチューニングを行わなくても高いパフォーマンスが得られるので、特にクラウドのような多数のシステムを集約したストレージ環境の設計や運用管理の作業負担は劇的に軽減されるでしょう」(佐藤氏)
「Oracle Exadata」をはじめとするOracleの「Engineered Systems」と緊密に統合されていることもZFS Storage Applianceを使う大きなメリットだと迎田氏は話す。
「ZFS Storage ApplianceとOracle Engineered Systemsの間は、40Gbpsの帯域幅を持つInfiniBandで高速に結ばれます。それぞれのハードウェアが限界の性能で動作した場合でも、ネットワークがボトルネックになることはありません。高速なネットワーク接続により、システム環境全体として高い性能を発揮するアプローチはOracleならではであり、特にOracle Exadataのバックアップに関してZFS Storage Applianceは他の追随を許さない性能を備えています」(迎田氏)
Oracle Databaseとの連携をはじめとするZFS Storage Applianceならではの機能が、多くの企業に恩恵をもたらしている。
例えば、ベトナムのACB銀行は、ZFS Storage Applianceによってストレージ容量を3分の1に圧縮し、コストも30%削減。日々の業務処理は約4倍に高速化されたという。
「これはHCCによるデータベース圧縮が大きな効果をもたらした事例です。圧縮によってデータ量が少なくなればデータ転送量も減り、システム全体の性能が向上します」(迎田氏)
また、米国のとあるクラウドサービスプロバイダーはサービスの提供基盤をZFS Storage Applianceと「Oracle VM」をベースにしたプライベートクラウドマシン「Oracle Private Cloud Appliance」で刷新し、性能を5倍に向上。ストレージ設置面積は67%削減し、高い可用性を備えたシステムを実現したという。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月12日
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