Microsoftが.NET用オープンソース機械学習フレームワークの最新版「ML.NET 0.11」を公開カスタムAIを開発してアプリに組み込み

オープンソースの.NET開発者向けクロスプラットフォーム機械学習フレームワークの最新版「ML.NET 0.11」をMicrosoftが公開した。

» 2019年03月12日 15時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 Microsoftは2019年3月8日(米国時間)、.NET開発者向けのオープンソースのクロスプラットフォーム機械学習フレームワーク、「ML.NET 0.11」を公開した。

 ML.NETは、2018年5月に開催された開発者向けカンファレンス「Microsoft Build 2018」で「ML.NET 0.1」として発表された。

 WindowsとLinux、macOSに対応したML.NETを使うことで、開発者は既存のツールやスキルを用いてカスタムAIを開発し、アプリケーションに組み込むことができる。感情分析やレコメンデーション、画像分類といった一般的なシナリオのためのカスタム機械学習(ML)モデルの作成が可能だ。

 ML.NET 0.11では、フレームワークの全体的な安定性に重点が置かれており、APIの改良やバグ修正、パブリックAPIサーフェスの削減が進められた他、ドキュメントとサンプルも改善されている。0.11の内容は、v1.0までの全てのリリースで継続されるという。

 ML.NET 0.11での主な改良点は次の通り。

  • MLコンポーネントが「MLContext」カタログに追加され、使いたいクラスや演算が見つけやすくなった
IntelliSenseの動作例(出典:Microsoft
  • 「TensorFlowTransformer」でテキスト入力がサポートされ、TensorFlowモデルを画像処理に加えてテキスト分析に利用できるようになった

 例えば、以下のコードは、“感情分析”のシナリオのためにML.NETを使って作成したTensorFlowモデルの一部を示している。

感情分析のシナリオを実現するTensorFlowモデルの例(一部を示した、出典:GitHub
  • 「Microsoft.ML.ONNX」の名称が「Microsoft.ML.ONNXConverter」に、「Microsoft.ML.ONNXTransorm」の名称が「Microsoft.ML.ONNXTransformer」に変更された。これにより、「ONNX」のコンバージョンとトランスフォーメーションがより明確に区別されるようになった

 ONNXは、あるフレームワーク(scikit-learn、TensorFlow、xgboostなど)でトレーニングしたモデルを別のフレームワーク(ML.NETのような)で使用するためのオープンで相互運用可能なモデル形式。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。