Oracle、「Java SE 12(JDK 12)」の一般提供を開始6カ月ごとに投入される最新リリース

Oracleは、ガベージコレクタなどの機能を強化した「Java SE 12(JDK 12)」の一般提供を開始した。

» 2019年03月22日 15時00分 公開
[@IT]

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 Oracleは2019年3月19日(米国時間)、「Java SE(Standard Edition)12/JDK(Java Development Kit)12」の一般提供を開始したと発表した。

 Oracle JDK 12は、2017年9月に発表された6カ月ごとのリリーススケジュールに従った「Oracle JDK 11」に続くリリース。Oracle JDK 11は、このリリーススケジュールに従った最初の「長期サポート(Long Term Support:LTS)」リリースだ。LTS版は3年ごとにリリースされることになっており、次は「Oracle JDK 17」となる予定だ。

 Oracle JDK 12は、OracleのCPU(Critical Patch Updates)スケジュールに従って、「Oracle JDK 13」に取って代わられる前に最低2回更新される。Oracle JDK 13は2019年にリリース予定。

 またOracleは、Java SEプラットフォーム仕様のオープンソース実装であるJDKも「jdk.java.net」で提供している。このJDKは「OpenJDK」とも呼ばれる。

JDK 12は開発生産性の向上に役立つ

 JDK 12の主な特徴は、開発生産性の向上に重点を置いた8つの新しい機能強化にある。これらの機能強化はJDK Enhancement Proposal(JEP)で定義されている。

  • JEP 189:(実験段階)一時停止時間が短いガベージコレクタ「Shenandoah」の提供
  • JEP 230:マイクロベンチマークスイートの追加
  • JEP 325:(プレビュー段階)「switch式」の追加
switch (day) {
    case MONDAY:
    case FRIDAY:
    case SUNDAY:
        System.out.println(6);
        break;
    case TUESDAY:
        System.out.println(7);
        break;
    case THURSDAY:
    case SATURDAY:
        System.out.println(8);
        break;
    case WEDNESDAY:
        System.out.println(9);
        break;
}
これまでの「switch文」による記述。冗長さが目立つ
switch (day) {
    case MONDAY, FRIDAY, SUNDAY -> System.out.println(6);
    case TUESDAY                -> System.out.println(7);
    case THURSDAY, SATURDAY     -> System.out.println(8);
    case WEDNESDAY              -> System.out.println(9);
}
switch式を使って書き直した記述
  • JEP 334:JVM Constants APIの導入
  • JEP 340:2種類あった64bit版Armポートを整理
  • JEP 341:デフォルトCDS(Class Data Sharing)アーカイブの改善
  • JEP 344:ガベージファーストガベージコレクタ(G1 GC)の混合コレクションをアボート(中断)可能に変更
  • JEP 346:G1 GCを強化し、Javaヒープメモリを、アイドル時に自動でOSに返すよう修正

JDK 12の延長サポート期間は設定されていない

 OracleはJava SE製品のサポートについて、JDK 11から始まったLTSリリースでは、5年間のPremier Supportとその後のExtended Support(Java SE 11では3年間)を提供する。

 LTSリリース以外のJava SE製品(6カ月ごとのリリーススケジュールの導入以降では、Java SE 10(JDK 10)とJava SE 12(JDK 12)が該当)については、6カ月間のPremier Supportのみを提供する。

 企業がJava SE 製品でPremier Supportを受けるには、「Oracle Java SE Subscription」を契約する必要がある。Java SE Subscriptionは、企業全体でのJava SEのインストール、更新、アップグレードを管理できる有償のサブスクリプションサービスだ。

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