ソニービズネットワークスが実施した、クラウドサービス導入後の社内ネットワークの状況に関するアンケート調査によると、70%以上の企業がクラウドサービスを利用していた。そのうち社内ネットワークがつながりにくくなったなどの課題を持つ企業が7割近くあった。
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ソニービズネットワークスは2019年3月27日、企業のネットワーク管理者を対象に実施した、「企業におけるネットワークの状況と対策の調査」の結果を発表した。
それによると、70%以上の企業がクラウドサービスを利用しており、従業員数や拠点数が多い企業ほどクラウドサービスの使用率が高かった。
ただし、クラウドサービスを使用している企業の68.6%が、クラウドサービスの導入後に社内ネットワークが「重くなった」「つながりにくくなった」と感じていた。
アンケート結果を詳しく見てみると、まず、クラウドサービスを使っていると回答した企業は73.5%だった。総務省の「平成29年 通信利用動向調査結果」によると、クラウドサービスを利用している企業の2017年の割合は56.9%であり、クラウドサービスの普及が進んでいることが分かる。
クラウド導入後の社内ネットワークの状況について、「社内ネットワークが重くなったり、つながりにくくなったりしたことがあるか」との問いには、28.6%が「そう思う」、40.0%が「ややそう思う」と答えた。「あまりそう思わない」は21.2%、「そう思わない」は8.2%だった。
こうした状況を受けて、クラウド導入後に社内ネットワークを増強または改善した企業は29.0%、今後増強または改善を予定している企業は38.0%だった。これらの企業が実際に実施した手段のうち、最も割合が高かったのは通信回線の増設で61.0%(複数回答)、次いで通信回線・業者の変更が58.5%だった。
ところが、社内ネットワークを増強または改善しても、不満が解消していない企業が多いようだ。増強/改善後の課題について聞くと、80.3%の企業が何らかの課題を感じていた。最も多かった回答は「ネットワークの重さが解消されなかった」で50.7%(複数回答)、「日数が経過したら再び重くなった」は42.3%あった。「費用が増大した」との回答も49.3%あり、通信速度は改善されても費用面での負担がネットワーク管理者を悩ませているようだ。
一方、クラウド導入後に増強や改善を検討したが実施しなかった企業の割合は14.3%、検討も実施もしていない割合は13.5%だった。その理由で多かったのは、「費用がいくらかかるか分からないから」(42.9%、複数回答)や「費用が高いから」(40.0%)だった。
同社はこのようなクラウドの課題を解決するには仮想化などを利用したネットワーク構成の改善が有効だとしている。
調査対象はネットワークの管理運用に携わる企業の従業員。有効回答数はスクリーニング調査8781、本調査333。調査期間はスクリーニング調査と本調査を合わせて、2019年1月21日〜同2月1日。インターネットリサーチによって調査した。
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