IDC Japanの調査によると、国内のハイパーコンバージドインフラストラクチャの利用率が20%を超えた。導入企業は処理性能に加えて、運用管理やデータ保護の効率化を重視していた。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
IDC Japanは2019年4月25日、国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)に関する利用動向調査の結果を発表した。それによると、HCIの利用率は20%を超え、いわゆるアーリーマジョリティーへの普及が進んでいるという。HCIの利用意向を示す回答者は65%近くあった。
HCIを利用する理由として回答割合が最も高かったのは「パフォーマンスの向上」(31.9%、複数回答)。次いで「ITインフラ運用管理の一元化」(28.9%)と「運用管理コストの削減」(28.6%)だった。
HCIを2017年以降に導入した利用者は、運用管理やデータ保護の効率化、ITベンダー数の削減を重視していた。HCIを今後利用する予定だとしている回答者はスモールスタートを重視している。IDC Japanでは、導入時は小規模から始め、必要に応じてITリソースを順次拡張するというHCIの導入スタイルは今後も変わらないと予測する。
一方、HCIベンダーの選定基準では、導入コストの低さや実績の豊富さだけでなく、幅広いITインフラ分野に向けた製品展開も重視していた。
最近では、ITインフラに向けたさまざまな機能がHCIに統合されつつある。今後の機能強化に期待する内容では、パフォーマンス向上やハイブリッドクラウドへの対応、PaaS(Platform as a Service)機能の充実などを挙げる回答者が多かった。
IDC Japanでエンタープライズインフラストラクチャのシニアマーケットアナリストを務める宝出幸久氏は次のように分析している。
「HCIは国内で急成長しており、もはやニッチなソリューションとは言えないところまで普及が進んでいる。HCIには、オンプレミスITインフラの刷新を進めるとともに、複数のクラウドを連携させ、統合的な運用管理を実現するハイブリッドクラウドに向けたソリューションへと進化することへの期待が高い。HCIは、デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応したITインフラへの変革を進めるに当たって、有力な選択肢の一つとなるだろう」
なお今回の調査は、国内の企業や組織のITインフラ導入の意思決定者が対象で、2019年2月に実施し、349人から有効回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.