Microsoftは「Build 2019」で、チーム作業やクラウド、量子コンピューティングなどに向けたさまざまな新技術を発表した。また、投票システムの安全性を確保する「ElectionGuard」も発表した。
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Microsoftは2019年5月7日、開発者向け年次イベント「Microsoft Build 2019」で、さまざまな新技術を発表した。AI(人工知能)や量子コンピューティング技術から、選挙プロセス保護するソリューションまで幅広い。
まずAIに関するものとして、インテリジェントエージェントの将来に関するビジョンを発表した。ルールや意図、コードではなく、データと機械学習から強力な対話型インタフェースを構築することに焦点を当てているという。
今日多くの企業がWebサイトを持っているように、今後は企業がエージェントを持つようになるとMicrosoftは予測している。複数のドメインやエージェントを横断する対話によって、極めて自然な体験が提供されるようになるという。Microsoftは、この技術を将来「Cortana」に統合し、「Microsoft Bot Framework」と「Azure Bot Service」を通じて開発者に提供する予定だとしている。
次に、Q#コンパイラとシミュレーターをオープンソース化することを発表した。Q#は、量子コンピューティングに向けたプログラミング言語。オープンソース化によって、Q#の開発者のコミュニティーを拡大し、パートナーやスタートアップ企業が自社製品を強化できる新たな機会を提供するとしている。
Microsoft 365については、基盤技術である「Microsoft Graph」のデータ接続を一般に提供開始した。これは、「Azure Data Factory」を活用してMicrosoft Graphのデータと自社独自のビジネスデータを組み合わせるもの。
チームによる共同作業に向けた「Fluid Framework」も発表した。これは、Webサイトのコンテンツや文書を共同制作するためのツール。2019年後半にソフトウェア開発キットの提供開始を予定している。その後、Microsoft 365に組み込む予定だ。
Webブラウザの課題を解決する新機能も発表した。Microsoft Edgeの次期バージョンに「IEモード」を追加することで、Internet ExplorerベースのアプリをEdgeのタブを通して稼働できるようにする。また、プライバシーの向上も盛り込む。プライバシーコントロール機能を追加することで「Unrestricted」「Balanced」「Strict」という3つのレベルをユーザーが選択可能になる。選択したレベルに従ってサードパーティーによる監視を制御できる。
その他、「Azure Active Directory」(Azure AD)をGitHubに追加したこと、「ElectionGuard」などを発表した。
ElectionGuardは、選挙プロセスを保護するための無料のオープンソースソフトウェア開発キットで、投票システムの安全性を確保する。2019年夏にGitHub上で公開する予定だ。
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