Linux Foundation傘下のHyperledgerは、「Hyperledger Iroha 1.0」の一般提供を開始した。ブロックチェーン基盤Hyperledgerに対応したモバイル機器向けアプリケーションを開発できる。
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Linux Foundation傘下のHyperledgerは2019年5月8日、「Hyperledger Iroha 1.0」の一般提供を開始すると発表した。
Hyperledgerはブロックチェーン技術の進化を目指して発足したクロスインダストリ共同開発プロジェクトで、IrohaはHyperledgerに対応したモバイル機器向けアプリケーションの開発環境の提供を目的としたプロジェクト。Hyperledgerのプロジェクトでバージョン1.0に達したのは、Irohaが4つ目となる。
Irohaの想定用途は、ブロックチェーンの機能を金融やID管理向けにモバイル機器で利用することだ。Hyperledgerの技術を利用した他のプロジェクトに追加可能なモジュラーアーキテクチャを備えており、既存のアプリケーションを強化するライブラリを提供する。
Irohaの主な特徴は、「YAC(Yet Another Consensus)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムやマルチシグネチャ機能、更新版クライアントライブラリなどを備えていること。
コンセンサスとは、分散システムで特定の単一データ値に対する合意形成を表す用語。複数の信頼できないノードを含むネットワークで信頼性を確保するために使う。YACは、ある程度のノードに不具合があったり、信頼性に欠けたノードがあったりした場合でも、元帳の安全性を確実にする。具体的には、もし欠落しているブロックがあった場合はそれらを別のピアからダウンロードする。
Irohaが備えるマルチシグネチャは、アプリケーションが実際に取引を実行する際に複数の署名を必要とする場合のオプションだ。
更新版クライアントライブラリは、モバイル機器からメインフレームまで多くの異なるプラットフォームに向けて、JavaやPythonなど多くの異なるプログラミング言語を使用してアプリケーションを作成できるようにする機能。Irohaは、LinuxとmacOSに加え、Windowsにも試験的ながらネイティブ対応している。
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