Microsoftは、オープンソースのプログラミング言語「TypeScript 3.5」のリリース候補版(RC)を公開した。型チェックと差分ビルドを高速化し、新しいヘルパー型やフラグも導入した。
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Microsoftは2019年5月16日(米国時間)、オープンソースのプログラミング言語の最新版「TypeScript 3.5」のリリース候補版(RC)を公開した。正式版のリリースは2019年5月末の予定。
TypeScriptは、静的型付けができる言語で、JavaScriptのスーパーセット。ECMAScript規格に従った最新のJavaScriptの機能を、古いWebブラウザやランタイムが扱えるようにコンパイルすることもできる。
TypeScript 3.5 RCは、NuGetを使うか、次のコマンドラインのように、npmを使ってインストールできる(リリース候補版であるため、「@rc」が必要)。
npm install -g typescript@rc
TypeScript 3.5は「Visual Studio 2019」「Visual Studio 2017」の他、「Visual Studio Code」と「Sublime Text」でも利用できる。TypeScript 3.5の主な特徴は次の通り。
型チェックと差分ビルドの速度が向上した。型チェックの高速化は主に、特定のコードパスの最適化や、特定の機能の簡易化によって実現した。差分ビルドの高速化は、モジュールの解決結果とtsconfig.jsonの解析結果をキャッシュする手法の改良などによって可能になった。
特定のプロパティを省略(omit)したオブジェクトを作成しやすいように、Omitヘルパー型を追加した。
従来のTypeScriptでは、例えばlocationプロパティを持たないPersonをPickヘルパーやExcludeヘルパーを使って次のように記述していた。
type Person = { name: string; age: number; location: string; }; type RemainingKeys = Exclude<keyof Person, "location">; type QuantumPerson = Pick<Person, RemainingKeys>; // equivalent to type QuantumPerson = { name: string; age: number; };
TypeScript 3.5では、次に示すような開発者ごとに異なる独自の定義を書き下すのではなく、Omitヘルパー型を利用できる。
type Omit<T, K extends keyof any> = Pick<T, Exclude<keyof T, K>>;
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