IIJがGCPとの閉域網接続サービス発表、合わせ技で差別化ローカルインターネットブレイクアウトにも対応できる

IIJは2019年5月28日、Google Cloud Platform(GCP)と閉域網で接続できる「IIJクラウドエクスチェンジサービス for GCP Partner Connect」の提供開始を発表した。キャリアからの独立性や、顧客の要望に合わせたカスタマイズ性が特徴。

» 2019年05月29日 08時00分 公開
[三木泉@IT]

 IIJは2019年5月28日、Google Cloud Platform(GCP)と閉域網で接続できる「IIJクラウドエクスチェンジサービス for GCP Partner Connect」の提供開始を発表した。キャリアからの独立性や、顧客の要望に合わせたカスタマイズ性が特徴。

 複数クラウドに対する閉域網接続を実現する「IIJクラウドエクスチェンジサービス」では、既に「IIJ GIO」「Microsoft Azure」「Microsoft Office 365」「Amazon Web Services(AWS)」に対応している。今回の発表では、Google Cloudが2018年に提供開始したプライベート接続サービス「GCP Partner Connect」にも対応した。

 新サービスでは、GCPの東京リージョン、大阪リージョンのそれぞれと異ルート・異キャリアで冗長接続している。このバルク接続を、顧客ごとに分割して提供する。IIJはGCP Partner Connectのリセールも行い、顧客拠点からGCPの接続ポイントまでの接続を一括してサポートできる。IIJクラウドエクスチェンジサービスでは、同様な対応を他のクラウドについて既に提供している。

 IIJクラウドエクスチェンジサービスは、企業の拠点、ユーザー、クラウドなどを物理/仮想の閉域ネットワークサービスで結ぶ「IIJプライベートバックボーンサービス(PBB)」の一機能。IIJは、PBBを構成する各種機能を組み合わせることで、顧客のさまざまな要望に応えられることを強調している。

 そこで、クラウドへのIP VPN接続、およびローカルインターネットブレイクアウトについて聞いてみた。どちらにも対応しており、既に導入事例があるという。

 まず、クラウドへのIP VPN接続について。今回発表したのは、専用線経由の接続サービスだが、一時的な利用などのため、特定クラウドにIPsec接続したいというニーズが考えられる。PBBでは、こうした要望にも応えられるという。

 また、最近SD-WANに関連して注目されつつあるニーズに、「ローカルインターネットブレイクアウト」がある。多くの企業はこれまで、社内の全拠点におけるクラウドやインターネットへのアクセスを、全社データセンター経由で行ってきた。これを、各拠点からの直接アクセスに切り替えるのがローカルインターネットブレイクアウト。

 こうしたニーズに対し、IIJではブロードバンド回線などで企業の全拠点をいったんPBBにおける仮想閉域網に引き込み、その上でクラウドエクスチェンジサービスやインターネットへのアクセスに通信を振り分ける構成を一括して提供できるという。各拠点からのインターネットアクセスでは、どこかでセキュリティを効かせる必要があるが、これについても、IIJ GIO上で動かすセキュリティプロセスを経由してインターネットに出ていく構成がとれるという。

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