「人のモチベーションを高めるAI」をオムロンとスクウェア・エニックスが共同研究機械が人の能力を引き出す?

オムロンとスクウェア・エニックスは、人のモチベーションを高めるAIを共同研究する。卓球ロボットに実装して、卓球を通じてコミュニケーションを交わすことで、機械が人の能力を引き出せるようにする。

» 2019年12月12日 08時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 オムロンとスクウェア・エニックスは2019年12月10日、人のモチベーションを高めるAI(人工知能)について共同研究を開始すると発表した。脈拍や体温といった人から取得する情報(バイタルデータ)を基に、モチベーションを高めるよう、人に対してフィードバックするAIアルゴリズムを開発し、機械が人に成長を促す技術の確立を目指すとしている。

 オムロンはこれまで、2013年に開発した卓球ロボット「フォルフェウス」を通じて、「センシング&コントロール+Think」と呼ぶ同社のコア技術を高めてきた。最新の第5世代フォルフェウスは、AIやロボティクス技術を活用して、プロ選手とラリーが可能なほどの卓球スキルを備えた。さらに、対戦相手を理解して一人一人に最適な返球やアドバイスを出すなど、コーチングもできるようにした。

画像 卓球ロボット「フォルフェウス」(出典:オムロン

俯瞰的な視点でコントロール

 スクウェア・エニックスは、ゲームプレイヤー各人に適したコンテンツ提供を目指して、「メタAI」と呼ぶゲーム内で使用するAIを開発してきた。メタAIは、俯瞰(ふかん)的な視点からプレイヤーを含むゲーム内の状況を把握して、キャラクターを制御するAIや天候、地形など、ゲーム全体をコントロールする。

 オムロンとスクウェア・エニックスの共同研究では、こうしたオムロンが強みとする「人の感情と能力を読み取るセンシング技術」と、スクウェア・エニックスがゲーム開発で培った「プレイヤーごとにゲーム展開を変化させ、人の感情を揺さぶるAI技術」を組み合わせる。それによって、各プレイヤーに最適な、モチベーション向上に向けた指導方法を考えるAIを開発する。このAIをフォルフェウスに実装し、フォルフェウスと人が卓球を通じてコミュニケーションを交わすことで、機械が人の能力を引き出せるようにする。

 共同研究の成果をオムロンは、FA(ファクトリーオートメーション)やヘルスケア、ソーシャルソリューションに展開する。FAの分野では、機械の支援によって、作業者の習熟度に合わせたモチベーション向上を図る。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。