リリースから7年後のWindows Server 2012の新規インストール(2019年12月版)山市良のうぃんどうず日記(169)

2020年の年明け早々、Windows 7、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2の延長サポートが終了しました。次に延長サポートが終了する主なレガシーOSは、Windows 8.1、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2で、3年後です。最近、Windows Server 2012を新規インストールする機会があったので、2019年12月の最新状態にアップデートするまでをレポートします。

» 2020年01月15日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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山市良のうぃんどうず日記

いまさらの新規インストール、きっかけはWindows Updateの問題を再現してみたかったから

 筆者はサポート期間中のWindowsおよびWindows Serverを仮想化環境に維持しているのですが、「Windows Server 2012」が抜けていました。Windows Server 2012と同じビルドベースの「Windows 8」は、「Windows 8.1」のリリースから2年後の2016年1月に事実上サポートが終了しましたが(サポートポリシー上、Windows 8.1はWindows 8のService Packという扱いで、サポートを受け続けるにはWindows 8.1へのアップグレードが必須でした)、Windows Server 2012については「Windows Server 2012 R2」リリース後もサポートが継続しています。

 Windows 8.1のメインストリームサポートは「2018年1月9日」に終了し、延長サポートが「2023年1月10日」まで提供されます。Windows Server 2012と2012 R2のメインストリームサポートは「2018年10月9日」に終了し、延長サポートが「2023年10月10日」まで提供されます。

 延長サポート終了まで後3年の猶予があるわけですが、バックアップを取得していないWindows Server 2012のサーバに問題が発生したり(Windows Updateもその原因になりかねません)、バックアップが破損していたり、あるいは正常にリストアできなかったりという場合は、Windows Server 2012の新規インストールからサーバ環境を再構築しなければならないでしょう。

 本連載の第163回では、間もなく延長サポートが終了する「Windows 7」の新規インストールを説明しました。その目的は、最大3年(2023年1月まで)の「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates、ESU)」があるため、ニーズがあると考えたからです。

 同じように、リリースから7年が過ぎたWindows Server 2012を、いま新規インストールして再構築するとしたら、どのような手順になるのか。その機会があったので、記録として残そうと思います。きっかけは、2019年12月のWindows Updateで、Windows Server 2012に何かしらの問題が発生したというウワサがあり、それをこの目で確かめたかったからです。

初回のWindows Updateは意外とスムーズ

 今回は、大多数の利用者が選択するであろう「GUI使用サーバー」で新規インストールしました。インストールメディアはWindows Server 2012がリリースされたときのものを使用しました。

 新規インストールの完了後、Windows Updateの設定を適宜変更します(「……行うかどうかは選択する」や「更新プログラムを確認しない」など)。「更新プログラムのチェック」をクリックして初回のWindows Updateを開始すると、最新のWindows Updateエージェントがインストールされ、その後、更新プログラムの確認が始まります。

 初回のWindows Updateでは、116個の重要な更新プログラムが利用可能として検出され、そのほとんどが自動選択されました(画面1)。

画面1 画面1 2019年12月にWindows Server 2012を新規インストールした場合、初回のWindows Updateでは116個の重要な更新プログラムが検出された

 Microsoftは2016年10月から、Windows Server 2012を含むレガシーOSに対しても、Windows 10およびWindows Server 2016以降で採用された累積的な品質更新プログラムでの更新プログラムの提供を開始しています。

 レガシーOSでは「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」という名称で提供されています。2019年12月中旬の時点では、2018年2月と2019年12月(つまり最新)のセキュリティマンスリー品質ロールアップが重要な更新プログラムとして自動選択されました。

 今回は、「2019年12月の更新プログラム」のインストールについて確認したいことがあるので、これ(ついでに「2019年12月の.NET Frameworkのロールアップ」も)の選択を解除し、後で「2019年11月のセキュリティマンスリー品質ロールアップ」を手動でインストールすることにします(画面2)。

画面2 画面2 Windows Updateの問題の再現テストを行うため、2019年12月のセキュリティマンスリー品質更新プログラムの選択は解除

 通常は、Windows Updateで自動選択された全ての重要な更新プログラムと、自動選択されなかった重要、推奨、またはオプションの更新プログラムのうちインストールしたいものを選択してインストールしてください。今回、筆者は.NET Framework 4.8と後述する「Internet Explorer(IE)11」を追加で選択しました。

 ダウンロードとインストールには3時間近くかかりましたが、特に失敗した更新はなく再起動が要求されるところまできました。ここで、2019年11月まで更新された環境を再現するため、「2019年11月のサービススタック更新プログラム(KB452208)」と「2019年11月のセキュリティマンスリー品質ロールアップ(KB452246)」を手動でインストールし、その後、再起動を開始しました(画面3)。

画面3 画面3 2019年11月まで更新された環境を再現するため、2019年11月のサービススタック更新プログラムとセキュリティマンスリー品質ロールアップを手動でインストールしてから再起動した

 サービススタック更新プログラム(KB452208)は、セキュリティマンスリー品質ロールアップ(KB452246)の前にインストールすることが推奨される更新プログラムです。Windows Updateで更新する場合は、必要なサービススタック更新プログラムが自動的にインストールされますが、手動で更新する場合は前提または最新のサービススタック更新プログラムをインストールしておくことを推奨します。

2回目のWindows Update

 初回のWindows Updateのための再起動は30分ほどで完了しました。選択した更新プログラムで失敗したものはありません。つまり、自動選択に任せれば、Windowsと.NET Frameworkについては、初回のWindows Updateで最新状態になるということです。

 「更新プログラムのチェック」をクリックして2回目のWindows Updateを実行すると、今度は22個の重要な更新プログラムが利用可能で、全て自動選択されました。今回も2019年12月の更新プログラムだけ除外してインストールを行います(画面4)。通常は自動選択に任せてください。

画面4 画面4 2回目のWindows Updateでは、22個の重要な更新プログラムがインストール対象として自動選択された(2019年12月の更新については意図的に除外)

 ダウンロードとインストール、再起動には1時間30分ほどかかりましたが、2回目のWindows Updateも特に問題なく完了しました。

 3回目のWindows Updateでは、意図的に除外していた2019年12月の更新プログラム(Windowsと.NET Frameworkのセキュリティマンスリー品質ロールアップ、IE 11の累積的なセキュリティ更新プログラム)だけが検出されました。つまり、2019年12月時点では、通常であれば更新プログラムの数が多く、時間もかかりますが、2回のWindows Updateで最新状態になるということです。

IE 10のサポートは2020年1月末に終了

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