膨大な衛星データをAIと高解像度地図データを使って解析、災害発生箇所の検出も Ridge-i衛星データだけでは「見え過ぎる」

Ridge-iは、人工衛星から取得した画像データをディープラーニングによって解析する際に、日本スペースイメージングの地図データ「ダイナミックモザイク2019」を利用する。自然災害が発生した箇所の検出などを想定する。

» 2020年02月06日 08時00分 公開
[@IT]

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 Ridge-iは2020年2月5日、日本スペースイメージング(JSI)と協業すると発表した。人工衛星から取得した画像データをディープラーニング技術によって解析する際に、JSIが提供する50センチ解像度相当の日本全域を網羅する地図データ「ダイナミックモザイク2019」を利用する。例えば、衛星画像から自然災害が発生した地域を検出するといった用途を想定する。

 Ridge-iはこれまでも衛星画像の解析経験がある。例えば2018年の北海道胆振(いぶり)東部地震が発生したときには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の依頼を受けて、土砂災害が発生した地域をディープラーニングで検出した実績がある。

画像 衛星画像活用事例(出典:Ridge-i

衛星から得られるデータが爆発的に増加

 人工衛星の観測データによって浸水や土砂災害などの災害発生箇所を推定するには、最終的には衛星から取得した画像データから人の手や目によって必要な情報を抽出する。ところが地球観測衛星の増加や高性能化といった理由で、衛星から得られるデータが爆発的に増加している。そのため、こうした大量のデータから、必要な情報を迅速に抽出する技術の開発が課題となっていた。

 Ridge-iはダイナミックモザイク2019を利用することで、AI(人工知能)を活用した衛星データの解析の研究開発や事業展開を本格的に開始する。解析したデータは、近年発生数が増加傾向にある自然災害への対策の他、多くの産業分野で活用できる可能性が高いとしている。

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