Microsoftは、クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「February 2020」リリース(バージョン1.43)を公開した。ワークベンチで検索エディタ機能を正式に搭載した他、言語対応などに改良を施した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Microsoftは2020年3月10日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「February 2020」リリース(バージョン1.43)を公開した(該当するツイートの公開日に従った)。
VS Codeのバージョン1.43では、ワークベンチやエディタ、言語、アクセシビリティーなどに関して多くの改良を施した。主な改良点は次の通り。
今回、ワークベンチ上で検索エディタ機能を正式に搭載した。ワークスペースの検索結果をフルサイズエディタで表示でき、構文をハイライト表示する他、オプションで前後の数行も表示できる。これは以前から要望が高かった機能だ。
次の画面は、「SearchEditor」の検索結果だ。一致箇所の前後2行も表示している。
検索エディタ機能では、[移動]-[定義に移動]([F12]キー)コマンドなどで検索結果をナビゲートすることもできる。オプションで設定すれば、ダブルクリックでソース位置を開くことも可能だ(「search.searchEditor.doubleClickBehaviour」設定で構成可能)。
「Search Editor: Open New Search Editor」コマンドを使って、または検索ビュー最上部の「Open New Search Editor」ボタンによって、新しい検索エディタを開くこともできる。
ワークベンチで枠の操作を改善した。2つの枠の交差部分をつかんでドラッグすると、2つの枠のサイズを同時に変更できる。この機能はエディタ枠でこれまでも利用できていたが、エディタとビューの間のエッジでも有効になった。
エディタの右端にある「ミニマップ」の垂直レイアウトの際に新しい「fit」オプションと「fill」オプションが利用できるようになった。fitオプションでは、エディタの高さがミニマップの高さの上限になる。fillオプションでは、ミニマップの高さは、常にエディタの高さになる。
エディタのカラム選択モードを改善した。[選択]-[Column Selection Mode]でアクセスできる新しいカラムモードのトグルを使って、テキストブロックを素早く選択できるようになった。
エディタ上の選択されたテキスト内の空白文字のみをデフォルトでレンダリングするように改善した。
アクセシビリティーの改善もある。Linux用スクリーンリーダーの「Orca」を新たにサポートした。
Orcaを使うと、Linux上で画面のユーザーインタフェースの音声読み上げを利用できる。
Visual Studio CodeにTypeScript 3.8.3をバンドルした。JavaScriptとTypeScript用の新しいリファクタリング機能を用いて、文字列の結合をテンプレート文字列に素早く変換できるようになった。
TypeScript 3.8では、JavaScriptとTypeScriptにおける呼び出し階層をサポートしている。
関数の全ての呼び出し元と呼び出し先や、呼び出し元の呼び出し元をドリルダウンによって調べることができるようになった。
VS Codeの設定や拡張機能、キーボードショートカットをマシン間で同期できる機能のプレビュー版を、次のバージョン1.44.0インサイダーリリースから提供する見通しだ。
リモート開発を支援する拡張機能の開発が進んでいる。この拡張機能を導入すると、コンテナやリモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。
バージョン1.43での機能ハイライトは次の通り。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.