日本IBMは2020年6月15日、同社の統合データ/AI基盤製品である「IBM Cloud Pak for Data」の新バージョン、v3.0について説明した。全社的なデータ分析/機械学習/AIのサイクルを自動化する統合基盤を目指した製品で、京セラも採用したという。
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日本IBMは2020年6月15日、同社の統合データ/AI基盤製品である「IBM Cloud Pak for Data」の新バージョン、v3.0について説明した。Cloud Pak for Data v3.0は6月19日にリリースの予定。同社はまた、同製品を2020年後半にサービスとして提供開始する予定であることも明らかにした。
Cloud Pak for Dataは、データの集約からETL(抽出・変換・格納)/データ準備、ガバナンス確保、モデル構築/検証、デプロイ、活用までを支えるさまざまなミドルウェア/アプリケーションを組み合わせ、データ分析/機械学習/AIのサイクルを自動化する統合基盤。ビジネスユーザー、データサイエンティストの役割分担や作業負荷の軽減を狙っている。
日本IBMではCloud Pak for Dataを、企業のデジタルトランスフォーメーションへの取り組みを支える基盤として推進している。京セラは全社データ活用基盤整備の一環として、2020年5月に同製品の稼働を開始したという。基幹システム、事業部システム、サプライヤーのシステムからのデータを統合すると共に、工場における生産データを取り込み、リアルタイムで知見を得る取り組みを進めているという。
Cloud Pak for Data v3.0ではまず、「Planning Analytics」が加わった。Planning Analyticsは財務や人事などの計画を支援するツール(前「IBM Cognos TM1」)。スプレッドシートを通じて、ビジネスに関わるさまざまな立場の人々が使える。what-ifシナリオによるシミュレーションを活用し、計画をリアルタイムで調整できる。別製品だったが、Cloud Pak for Dataに統合した。これにより、Cloud Pak for Dataのデータ準備/データ品質向上支援機能を活用しやすくなったという。
また、データカタログ/データガバナンス確保支援機能の「Watson Knowledge Catalog」では、機密情報が集中している箇所や、組織ポリシーに違反しているデータを自動的に発見する機能を強化した。
機械学習/AI支援ツールの「Watson Studio」「Watson Machine Learning」では、モデル構築自動化機能の「AutoAI」を強化し、自動構築されたモデルにデータサイエンティストがチューニングを加えられるようになった。
Cloud Pak for Data v3.0では、ユーザーインタフェースの一貫性も向上。また、今後オープンソースソフトウェアやIBM以外の商用製品の統合的な利用も推進していくという。
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