「デジタル化が『紙を電子化する』にとどまっている」 弥生、SAPら5社が「社会的システム・デジタル化研究会」を発足社会全体をデジタル化し、効率向上を目指す

SAPジャパンら5社は、「社会的システム・デジタル化研究会」を発足し、「社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言」を発表した。社会的システムのデジタル化を通じて、社会全体の効率の抜本的向上を目指す。

» 2020年06月26日 08時00分 公開
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 SAPジャパン、オービックビジネスコンサルタント、ピー・シー・エー、ミロク情報サービス、弥生の5社は2020年6月25日、「社会的システム・デジタル化研究会」を発足し、「社会的システムのデジタル化による再構築に向けた提言」を発表した。同研究会は、社会的システムのデジタル化を通じて、社会全体の効率向上を目指すとしている。

画像 社会的システム・デジタル化研究会(出典:弥生

社会的システムをデジタルで再構築

 社会的システム・デジタル化研究会は、2019年12月に発足した「Tax Compliance by Design勉強会」が前身。同研究会は「日本の社会的システム(通信、医療、教育といった社会を支える仕組み)は、戦後の紙処理を前提として構築されたものがほとんどだ。電子申告や電子申請の仕組みが広まりつつあるものの、これまでの取り組みは『紙を電子化する』という観点にとどまっており、デジタルを前提とした業務プロセス全体の見直しには至っていない」としている。

 紙を前提としたままプロセスの一部を電子化するだけでは、これからの時代の働き方を阻害する。そのため、社会的システムをデジタルで再構築する際は、以下の4点を踏まえるべきだとしている。

  • 発生源でのデジタル化
  • 原始データのリアルタイムでの収集
  • 一貫したデジタルデータとしての取り扱い
  • 必要に応じた処理の主体の見直し

 今回発表された提言では、「2023年10月のインボイス義務化に向けて、標準化された電子インボイスの仕組みの確立に取り組むべきだ」と短期的なロードマップを示している。同研究会は、下部組織として「電子インボイス推進協議会」を2020年7月に創設し、2020年内をめどに電子インボイスの標準規格を策定する。具体的なシステムの開発には、2021年に着手する予定だという。

 さらに中長期的には確定申告制度や年末調整制度、社会保険の各種制度なども、根底からデジタル化を進めるべきだと主張する。これらの制度は主に行政の仕組みのため「行政機関が主導すべきだが、全体最適ができるよう仕組みの構築について民間企業も積極的に関与すべきだ」としている。

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