GoogleのGoogle Cloud部門は、大企業のアプリケーションモダナイゼーションを支援する「Google Cloud App Modernization Program」(Google CAMP)を発表した。
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Googleのクラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)を担当するGoogle Cloud部門は2020年8月25日(米国時間)、ビジネスの成功に向けてアプリケーションモダナイゼーションを進める大企業が、指針となるアドバイスや実証済みのプラクティスを求めているとの認識から、こうした取り組みを支援する「Google Cloud App Modernization Program」(Google CAMP)を発表した。
Google CAMPにより、大企業はアプリケーション開発、提供のモダナイゼーションとそれらのスピードアップを実現でき、それは収益向上に直結すると、Google Cloudは述べている。
Google Cloudは、Google CAMPは以下の3本柱のアプローチにより、大企業のアプリケーションモダナイゼーションを成功に導くとしている。
Google Cloudは、Google CAMPは、大規模かつ迅速なアプリケーション提供を支えてきたGoogle Cloudの経験に基づいていると述べ、「毎日1200万ビルドのデプロイ、6億5000万のテストケースの実行、毎月2.5EB(エクサバイト)のログ処理、1万4000兆のモニタリング指標の解析」をサポートしてきたと実績を例示している。
またGoogle CAMPは、高業績につながるプラクティスに関するDevOps Research and Assessment(DORA)の6年に及ぶ調査で得られた教訓を反映しているという。
Google Cloudは、Google CAMPの3本柱のアプローチについて次のように説明している。
Google CAMPは、データ主導のベースライン評価を提供する。この評価は、アプリケーションモダナイゼーションの取り組みにどこから着手すべきか、どのように優先順位を付けるべきか、どうすればROI(投資対効果)を最大化できるかを示す。
Google CAMPの評価は、個々の組織、プロセス、チームに合わせて提供され、自部門と自社の他のビジネス部門、自社とIT業界全体、自社と同業種の優良企業などを比較することが可能だ。さらに、Google CAMPの評価は、どこにボトルネックがあるかや、どうすれば最も効果的な大規模投資ができるかも示す。
Google CAMPは、既存のGCPサービスを利用して、レガシーおよび新規アプリケーションの構築、実行、保護、管理を支援する。
Google Cloudは、モダンなクラウドネイティブの原則に対応してゼロから開発されたエンドツーエンドのツールを提供している。これらの原則には、強力なセキュリティ基盤をベースにした開発や、変更に関する迅速なフィードバックの提供、段階的な展開、迅速な弾力性などがある。提供ツールは、「Cloud Code」「Cloud Build」「Container Registry」「Cloud Ops」など。顧客はコンピューティングサービスとして、「Google Kubernetes Engine」(GKE)、「Cloud Run」「Anthos」などの中から選んで利用できる。
2020年第2四半期だけで、10万以上の企業がアプリケーション開発、提供をモダナイズするためにこうしたサービスを利用しているという。
Google CAMPは、DORAによる長年の科学的調査とGoogleの経験を基に、個々の組織に合わせて技術、プロセス、測定、文化のプラクティスに加え、アプリケーションのソリューションとアドバイスを組み合わせて提供する。これらは、アプリケーションのコード作成、実行、運用、保護といったアプリケーションライフサイクル全体をカバーする。Google Cloudはこうしたプラクティスの例として、開発者と運用担当者の連携推進、リーン開発、疎結合アーキテクチャの実装、継続的テストなどを挙げている。
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