「Ruby 2」の3倍の高速化を目指した「Ruby 3.0.0」が公開7年ぶりのメジャーリリース

オープンソースプログラミング言語「Ruby」の最新メジャーリリース「Ruby 3.0.0」が公開された。新版の主な改善点はパフォーマンス改善、並行処理、静的解析の3点。

» 2021年01月13日 15時30分 公開
[@IT]

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 Ruby開発チームは2020年12月25日、オープンソースプログラミング言語「Ruby」の最新メジャーリリース「Ruby 3.0.0」(以下、Ruby 3.0)を公開したと発表した。

 Ruby 3.0はパフォーマンスの改善、並行処理、静的解析の3点を目標に開発されてきた。特にパフォーマンス改善については、「Ruby 3x3」として「Ruby 3はRuby 2の3倍速くする」ことが目標に掲げられてきた。

 実際にRuby 3.0では、Optcarrotベンチマークで3倍の高速化を達成できた。

OptcarrotベンチマークでRuby 3.0はRuby 2.0の3倍を達成(出典:ruby-lang.org

パフォーマンスを改善

 Ruby 2.6で導入されたJIT(Just In Time)コンパイラアーキテクチャ「MJIT」にさまざまな改善が施された。これにより、AIやOptcarrotで性能を評価できるゲームなど、少数のメソッドを多数呼び出すことに多くの時間を費やすアプリケーションの性能をJITが改善できるようになった。

 一方、生成コードのサイズを大幅に削減したものの、「さまざまなメソッドを満遍なく呼び出す『i-cache』への負荷が大きい『Rails』のようなワークロードでは、JITコンパイラがその負荷を大きくしてしまうため、性能を改善できる状態には至っていない」とRubyチームは述べ、Ruby 3.1での改善を表明している。

並行処理を実験的に導入

 アクターモデル風の並行並列制御機構である「Ractor」が実験的に導入された。Ractorはスレッド安全に関する懸念がなく、Rubyで並列処理を実行できるように設計されている。

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