ほとんどの組織は、AIモデルのプロトタイプを本番環境に移行できていない。データの依存関係を管理できていないことが、AIの本番稼働までのプロセスの大きな障壁となっている。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
データとアナリティクスのリーダーは、データとAIのスキルを適切に応用し、データとプラットフォーム機能の活用によりAIアプリケーションを成功させられると認識している。だが、ほとんどの組織は、データ管理とAIの分野で必要かつ重要なコラボレーションができておらず、これらの業務を体系的に行うのに苦労している。
Gartnerの「組織におけるAIに関する調査」によると、AIモデルのプロトタイプの75%以上を本番環境に移行できている組織は、10社に1社のみである。またこの調査では、幾つかの障壁が、組織のAIアプリケーション開発がプロトタイプの段階を越えて進むのを妨げていることも分かった。
同調査は、データの依存関係が、AIの本番稼働の大きな障壁であることを明らかにした。この重大な依存関係を軽減するには、データとアナリティクスのリーダーが、データ管理とAIにまたがる分野の横断的なプラクティス(手法)を確立しなければならない。
AIの運用化という課題に対処するために、運用管理における3つのコンピテンシーである「ModelOps」「DataOps」「DevOps」といったプラクティスの開発や実行が求められる。
組織のAI戦略の中心に位置する。拡張性とガバナンスを確保しつつ多様なAIの成果物やプラットフォーム、ソリューションを融合させる。説明責任や責任を共有することで、チーム間の内部的な摩擦をなくすことを目指す。
データフローを改善し、ビジネスでの価値をもたらす。データパイプラインとワークフローのオーケストレーションを、特定のユースケースに合わせて運用化する。組織の変革を促進し、行動を誘導してアジリティを実現する。
アジャイル手法やコラボレーション、自動化を利用してソリューションを提供するための顧客価値主導のアプローチだ。DevOpsの実装は、制約をなくしてワークフローを継続的に改善することを通じ、結果として、提供する顧客価値の向上を目指す。
出典:Build 3 Operations Management Skills for AI Success(Smarter with Gartner)
Director, Public Relations
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