複雑怪奇なIT“業界”を解説する本連載。今回は、IT業界の2大勢力「自社開発企業」と「SIer」の中の人に、どちらのエンジニアがより幸せなのか、バチバチのバチバチで戦ってもらった。
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2021年5月13日、IT業界に強い転職メディア「Green(グリーン)」やエンゲージメント解析ツール「wevox」を提供する「アトラエ」が主催するWebセミナー「エンジニアによるエンジニアのキャリアパス徹底討論!」が開催された。
自社開発企業代表としてアトラエのエンジニア篠隈仁志氏が、SIer代表として「情報戦略テクノロジー」(以降、IST)のエンジニア岡野谷知孝氏、同じくISTの採用マネジャー 川上貴之氏が登壇した。司会進行は、エンジニア兼、登録者数7.4万人を誇るYouTubeチャンネル「セイト先生のWeb・IT塾」主催の堀口セイト氏(以降、セイト先生)。
仕事内容、技術スタック、キャリアプラン、年収。エンジニアが気になる4つの話題について、自社開発企業、SIerそれぞれの実情と中の人の本音や悩みが語られた。
自社開発企業 vs. SIer――エンジニアが幸せになれるのはどちらなのだろうか。真剣勝負、ファイッ!
セイト先生は最初のテーマに「仕事内容」をピックアップした。
自社開発企業代表、アトラエのエンジニア 篠隈氏は、さまざまなサービスを担当しているそうだ。
篠隈氏によると、「アトラエのエンジニアは、Green、Yenta、wevox、inowのような事業に属する形で仕事を行います。基本的に自分たちがやりたいことや、やるべきこと、またお客さまの『やってほしいこと』を束ね、企画するところから携わることが多いのです」と述べる。それぞれのエンジニアが作る能力を発揮し、アジャイルにコードを書くだけでなく企画から携わるという点が特徴だ。
SIer代表、ISTの岡野谷氏は、テックリードとして多くのシステムに携わっている。SIとしてさまざまな業種のプロジェクトを手伝うため、顧客の開発室に在席し、仕事をするスタイルだ。持ち帰ってIST社内で開発する場合もある。
「具体的な名前は出せないのですが、皆さんがよく利用しているWebアプリ、ECサイトや証券サービス、求人などのサイト構築と運営。Android/iOSアプリも作っています」と岡野谷氏は述べる。そして「ここまでは、いわゆるSIerのイメージだと思います」と付け加える。
ISTは「ゼロ次請け」を掲げているSIerだ。Webサイトでは「お客さまと同じ目線で課題に向き合い解決する」と表現しているゼロ次請けのことを、岡野谷氏は「われわれは外部の人間ではありますが、中の人である篠隈氏と同じように、顧客のやりたいことをいかに実現するかを考えます。事業優先度や事業計画を把握して、プロジェクト目標達成やサービスのローンチの実現に向けてプランニングするところから関わるのがISTの特徴です」と述べる。
直受けができるSIerのケースだと、顧客と直接向き合えるので自社開発の仕事内容と大きな違いはないかもしれませんね。
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