Windows 10の後継OS「Windows 11」の登場によって、開発者にどのようなメリットがあるのか、Microsoftが公式ブログで説明した。新しいMicrosoft StoreやWindowsのネイティブアプリケーションに搭載される新機能などが役立つ。
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Microsoftは2021年6月24日(米国時間、以下同じ)、同日に開催された開発者向けイベント「What's next for Windows」で発表した「Windows 10」の後継OS「Windows 11」によって、開発者がどんな恩恵を受けるかを公式ブログで説明した。
新しいMicrosoft Storeを利用することで、開発者はWin32やプログレッシブWebアプリケーション(PWA)、ユニバーサルWindowsアプリケーション(UWP)など、アプリケーションフレームワークにかかわらず、さまざまなアプリケーションを提供できるようになる。
さらにAndroidアプリケーションをWindowsで提供することも可能になる。2021年後半から、ユーザーはMicrosoft StoreでAndroidアプリケーションを検索し、Amazon Appstore経由でダウンロードできるようになる。
ユーザーは、厳選されたストーリーやコレクションに基づいてアプリケーションを検索しやすくなる。「ポップアップStore」のような新機能により、アプリケーションをWebブラウザから直接インストールすることも可能になる。
Microsoftは、分配収益ポリシーの段階的な変更を計画している。アプリケーション開発者はMicrosoft Store内で自身の商取引プラットフォームを通じてアプリケーションを提供し、収益の100%を確保できるようになる(PCゲームを除く)。加えて、競争力のある85対15の分配収益でMicrosoft Storeの商取引プラットフォームを利用することもできる。
新しいMicrosoft Storeのプレビュー版は、近日中にWindows Insider Programで利用可能になる。
Windows 11では新しい「PWABuilder3」を用いて、Webアプリケーションから数分でPWAを作成できるようになる。さらに「WebView2」ランタイムがWindows 11に搭載されるため、ハイブリッドWebアプリケーションを作成する高パフォーマンスで安全な方法として、同OSのWebプラットフォームを利用しやすくなる。「Windows Terminal」や「Microsoft Edge開発ツール」のような強力な開発製品もWindows 11に搭載され、Windows 10に引き続き利用できる。
「Windows App SDK」(旧称:Project Reunion)を利用することで、Windows 11の機能をアプリケーションに簡単に統合できる上、Windows 10を使う10億人以上のユーザーにリーチできるようになる。
Windows App SDKはコミュニティーとの協力によって開発されており、2021年6月24日に「Windows App SDK 0.8 Stable」リリースの提供が始まっている(NuGetパッケージとVisual Studio Marketplaceでは、まだProject Reunionと呼ばれている)。このリリースでは、「WinUI3」の最新安定版が提供され、「Visual Studio 16.10」による開発がサポートされている。「Windows App SDK 1.0」は、2021年中にリリースされる見込みだ。
さらにWindows on ARMでネイティブに動作するアプリケーションも作成できる。新しい「ARM64 Emulation Compatible(EC)ABI」を利用すればよい。
ARM64ECを使えば、ネイティブARMコードとエミュレートされたコードを同じプロセスやモジュールで組み合わせることもできる。この相互運用性は、アプリケーションがx64と依存関係を持っていたり、制御下にないx64プラグインをロードしなければならなかったりした場合でも、アプリケーションをWindows on ARM上での実行に最適化できることを意味する。
Windows 11で快適に使えるようにアプリケーションのデザインやエクスペリエンスを一新したい場合、WinUI3のアップデートされた新UIを利用できる。
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