「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、フルテキストインデックスまたはセマンティックインデックスの論理サイズの出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は「sys.dm_db_fts_index_physical_stats」におけるフルテキストインデックスとセマンティックインデックスの論理サイズの出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2012以降です。
SQL Serverでは、フルテキスト検索機能を使用した高速のテキスト検索や、セマンティック検索機能を使用したキーフレーズ検索や類似文書検索が可能です。
これらの機能を使用するには、事前にフルテキストインデックス検索機能やセマンティック言語統計データベースをインストールして、テーブルの列にフルテキストインデックス、またはセマンティックインデックスを作成する必要があります。
「sys.dm_db_fts_index_physical_stats」動的管理ビューでは、作成したフルテキストインデックスとセマンティックインデックスで使用されるデータサイズについて確認できます。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
object_id | int | インデックスを含むテーブルのオブジェクトID |
fulltext_index_page_count | bigint | フルテキストインデックスが使用するページ数 |
keyphrase_index_page_count | bigint | keyphraseインデックスが使用するページ数 |
similarity_index_page_count | bigint | similarityインデックスが使用するページ数 |
1つのテーブルの2つの列にフルテキストインデックスを作成し(図1)、「sys.dm_db_fts_index_physical_stats」動的管理ビューを出力します(図2)。
「fulltext_index_page_count」列に、フルテキストインデックスが使用するサイズがページ数(1ページ=8KB)で表示されました。フルテキストインデックスは2つの列で有効化しましたが、結果はテーブルごとに1行のみが表示されるようです。
次に、セマンティックインデックスを作成します。SQL Server 2019 CTP 2.0のインストールメディアに付属するセマンティック言語統計データベースには、日本語の言語モデルは含まれていませんので、フルテキストインデックスのワードブレーカーを日本語から英語に変更してセマンティックインデックスを作成しました(図3)。
「sys.dm_db_fts_index_physical_stats」動的管理ビューを出力すると、「keyphrase_index_page_count」列と「similarity_index_page_count」列の値が増加しました(図4)。セマンティックインデックスは、「keyphrase」インデックスと「similarity」インデックスの2つのインデックスから構成されているようです。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 CTP2」をインストールした環境を想定して解説しています。
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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