Amazon Web Servicesは、クラウドBIサービス「Amazon QuickSight」向け自然言語クエリツール「Amazon QuickSight Q」の一般提供を開始した。自然言語で質問すると、数秒で回答が得られるという。
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Amazon Web Services(AWS)は2021年9月23日(米国時間)、「Amazon QuickSight Q」(QuickSight Q)の一般提供を開始した。
QuickSight Qはクラウド向けに構築されたスケーラブルでサーバレス、組み込み可能な機械学習(ML)ベースのビジネスインテリジェンス(BI)サービス「Amazon QuickSight」の自然言語クエリツール。QuickSight Qは2020年12月に発表されており、現在は英語にのみ対応している。
QuickSight Qを利用すると、ユーザーは検索バーに自然言語(英語)でビジネスに関する質問、例えば「what is the year-over-year sales trend?」(前年比の売り上げ動向は?)を入力すると、数秒で回答を得ることができるという。回答には、ユーザーが洞察を得るのに役立つグラフやテーブルといった視覚表現が添えられる。
以前は、このようにユーザーが自然言語で質問をして回答を得るには、質問の都度、BIアナリストがデータモデルとダッシュボードを更新する作業が必要であり、作業に数カ月かかる場合もあった。QuickSight Qは、あらかじめ構築されたダッシュボードやレポートに依存していないため、こうした問題とは無縁だ。
QuickSight Qは自然言語理解(NLU)を利用して、ユーザーの質問からビジネス用語と意図を抽出し、Amazon QuickSightでサポートされているソースから対応するデータを取得して、回答を返す。
このプロセスにおいて、営業やマーケティング、販売、人事、広告、金融サービス、ヘルスケアなどさまざまな領域から引き出された語彙(ごい)や概念を認識するようにトレーニングされたモデルを活用している。
Amazon QuickSightでサポートされているソースは数多い。「Amazon Redshift」や「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)の他、「Amazon Aurora」「Amazon Athena」「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)といったAWSソースのデータに対応している。「Salesforce」や「Adobe Analytics」「ServiceNow」「Microsoft Excel」など、サードパーティーのソースやSaaSアプリケーションのデータも含む。
QuickSight Qは重要なフレーズやビジネス用語に関する自動入力補完機能を提供する他、スペルチェックと頭字語や同義語の統一も自動的に行うので、ユーザーは入力ミスや、用語の記憶違いなどを気にする必要はない。
ユーザーはQuickSight Qが質問を理解する(ひいては、回答を生成する)方法を、使いやすいエディタを使って簡単に改善することもできる。このため、事前に複雑なデータ準備を行う必要がない。
今回の発表時点で米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、米国東部(オハイオ)、欧州(アイルランド)、欧州(フランクフルト)、欧州(ロンドン)の各リージョンで提供済みだ。提供リージョンは近いうちに追加する予定。
QuickSight Qは前もって契約することなく利用でき、ユーザー数またはクエリ数に応じた料金を支払えばよい。
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