Kaggleにハマった2人の大学生は、明確な判断基準を持って就職先を探し、決めた。グランドマスターは最終地点ではなく、その先を見つめていたから。
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「Kaggle グランドマスター インタビュー」、前編は2人の大学生がKaggleに出会い、グランドマスターになるまでを追った。後編は、彼らの就職活動と社会人になってからの生活や考え方の変化などを伺う。
Kaggle グランドマスターの荒居秀尚さんと中間康文さん、2人はどのように就職活動を行ったのだろうか。トップクラスのKagglerともなると、企業からお誘いが来て特別枠で入社したのではないかと思うかもしれないが、そんなことはなく、2人とも「普通に」就活をしたそうだ。
就活の前段としてインターン制度を利用した就業体験がある。インターン制度は求人企業からは学生を知ることができ、就活生からは会社の業務や社内の雰囲気を知ることができるため、就活の一次面接的な性格も強いといわれている。2人はインターン先をどのように決めたのだろうか。
「理系学生のエンジニアの間で出回るインターン情報を参考にしました。仕事内容、期間、スキル、金額などがスプレッドシートにまとめられているものです。業務で機械学習を扱うとはどういう感じなのか知りたいと思っていたので、スプレッドシートの中から希望に合致する6社に応募。期間が重なって諦めた会社もあり、受かったのは3社でした。そのうちの1社がリクルートでした」(中間さん)
「そのスプレッドシートはどの大学にも出回っていて『魔法のスプレッドシート』と呼ばれています(笑)」(荒居さん)
荒居さんも、複数の企業で就業体験を積んだ。
「実は、修士2年のころ半年ほど休学してスタートアップ企業で働いていたことがあり、当初はそのままその会社で働くつもりでいました。ですが、コロナ禍でいろいろと考えるようになり、インターンでお世話になったリクルートの方と話して、さまざまな強みを持っている人が多く、成長できる環境で働きたいと思い、入社を決めました」(荒居さん)
いっぽう中間さんは、ビジネスへの興味という点で就職先を選んだという。
「他のインターン先も含め幾つかの企業を検討しましたが、どれだけスキルの幅を広げられるかというところと、多種多様なサービスとデータを保持しているというところで、ビジネスに興味が持てたのはリクルートでした」(中間さん)
前述のように、データに興味が持てるかどうかは、機械学習を仕事にしていく上で大きなポイントになる。中間さんは、他社とリクルートを比較し、より興味の持てるデータを持つリクルートを選んだ。
ちなみに、同社で扱うデータは「ホットペッパーグルメ」や「じゃらん」「リクナビ」「AirPAY」など、身近なものが多く、興味を持ちやすいという点は2人に共通した意見だ。
また、荒居さんは別の視点からも同社を選んだ理由を明かしてくれた。それは、リクルートは規模が大きく事業内もエッジが効いているので、社内にいろいろなスペシャリティを持つ人がいるという点だ。
「もし将来、自分がキャリアを変えたいと思ったときに、頼れる背中の数が多いというのは心強いと感じました」(荒居さん)
さらに「同期の仲間ができる」という点もリクルートを選んだポイントだったという。「多くの場合、同期の仲間ができるのは新卒入社が最後なのではないかと思います。後々の人のつながりを考えていく上で、そうした関係を構築しておくのは大切かな、と考えました」(荒居さん)
こうして、2人の若きKagglerはリクルートに入社した。
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